汚染水を廃棄したい日本の、最悪の事態を恐れる漁師たち

福島第一原発の原子力災害によって生じた汚染水については、専門家がこれまで公表していたよりも放射能が強いものでした。それで、それを安全なものとして処理すると請け負ってきた政府の立場に対する疑問の声が上がっています。

By Motoko Rich and Makiko Inoue

Dec. 23, 2019『ニューヨークタイムズ』

(翻訳 神学博士 川上直哉)

2011年3月に北日本を襲った激烈な地震と津波は、福島県の沿岸都市に住む漁師ニイツマ・タツオさんから多くを奪いました。

津波はニイツマさんの漁船を破壊し、その家を粉砕しました。そして、実に恐ろしいことに、ニイツマさんにとって何より大切な娘さんの命を奪ったのでした。

その大災害から9年近くたった今、77歳になったニイツマさんは、その生業全体を失う危機にさらされています。津波によって破壊された原子力発電プラントから出る汚染水を、日本政府が海洋に放出しようとしているからです。

安倍晋三首相とその内閣、そして東京電力株式会社(チェルノブイリ以来最悪の原発事故へと至った三つのメルトダウンの現場となった福島第一原子力発電所の管理運営責任主体)は、100万トンに及ぶ汚染水をどうするか、決定しなければならない立場にあります。その汚染水は、原発が設置されていた場所に建設されている1000基に及ぶ巨大タンクに貯蔵されているのです。

去る月曜日(2019年12月23日)、日本の経済産業大臣は、その汚染水を段階的に太平洋に放出することを提案しました。大臣によると、海への放出は「安定的に希釈させ攪拌する」ようにコントロールする、というのです。「タンクの中に汚染水を保管し続ける方法」や「地中深くに注入する方法」を、同大臣は選択肢として排除したのでした。これを受けて、安倍内閣が最終決定をすることになります。

汚染水が発生するメカニズムは以下の通りです。まず、溶けた核燃料があります。それはあまりにも温度が高く、また放射能が強すぎるために、取り出すことができません。それで、その核燃料が収まっている原子炉を冷やすために、水が注入され、そして汚染水が生まれるのです。何年もの間、TEPCOという略称で知られている当該の電力会社は「処理された水は海洋に放出しても安全である」と言っていました。汚染水は強力なろ過装置によってそのほとんどの放射性物質を取り除くことができるというのです。

しかし、専門家が公表していたものよりも、実際の放射能は強いものでした。政府当局によると、処理された汚染水は再び処理され、そして放出に足る安全性を確保することになるというのです。

政府がどんな保証をしようと、汚染水が海へと排出された場合、ニイツマさんのような漁師が数百人単位で漁業をほぼ完全に破壊されることになるでしょう。消費者はすでに福島の魚について心配を募らせているのです。汚染水を海洋投棄すれば、人々の恐怖ははるかに深刻化することでしょう。

「そんなことをすれば、漁業という産業は殺され、漁船の命運は尽きてしまう」とニイツマさんは言います。「魚はもう、売れなくなる」と。


翌年夏のオリンピック期間中に野球の会場を提供するのが福島県です。そして、汚染水タンクが建てられている土地がいっぱいになってきています。そうしたことから、汚染水処理の議論は緊迫の度合いを強めているのです。

The Fukushima Daiichi Power Plant.Credit…Ko Sasaki for The New York Times

昨年まで、TEPCOは次のように示唆していました――「汚染水のほぼすべてについて、ただ一つだけの放射性物質を除いて、すでに放射性物質は取り除かれ、日本政府の示す安全基準を満たしている。残りのただ一つの放射性物質とはトリチウムであり、それは水素の同位体で会って、専門家によればそれは人間の健康に比較的低いリスクがあるだけのものだ」と。

しかしそのTEPCOが、昨年夏、「汚染水のおよそ五分の一だけが、十分に処理されたに過ぎない」と認めたのです。

先月、経済産業大臣は、福島の汚染水について、記者と外交官にブリーフィングを行いました。それによると、汚染水の75パーセントについては、いまだなお、トリチウム以外の放射性物質を含んでいるとのことです。そして、その汚染状況は、人体に影響がある水準として政府が想定しているレベルを超えるものである、とのことでした。

専門家の説明によると、最初の数年の間に原子炉に流入した水について、TEPCOが除染装置のフィルターを十分な回数で交換しなかったのだそうです。そのTEPCOによると、再度ろ過の作業をして、大部分の放射性核種を除去する処理を行い、汚染水をきれいにして太平洋に放出するそうです。

Fish being prepared for screening for radioactivity at a lab inside a fish market in Iwaki.

魚はいわき市の市場において検査のための処理を施される

Credit…Ko Sasaki for The New York Times

専門家の一部と、そして現地に住む人々は、そのようなTEPCOの言葉を信用することは難しいと言っています。

「日本政府とTEPCOは事実を隠していると思います。あの水は、やはり、汚染されているのでしょう。」と、いわき市の市議会議員であるサトウ・カズヨシさんは言います。

「来年は東京オリンピックがありますからね。安倍晋三首相は、すべてが“アンダー・コントロール”だ、というイメージを提示したいのでしょう」と、サトウ市議は語ります。彼が想起しているのは、東京が2020年のオリンピック大会のホスト国となった時に日本の指導者がスピーチで語った言葉でした。

情報を一般に周知させることは簡単ではありません。このことを電力会社は認めています。汚染水の処理についての情報は「分かり易い仕方で提示されてきませんでした」と、TEPCO広報のタカノリ・リュウノスケさんは言います。

福島第一廃炉推進カンパニーの事務局長であるマツモト・ジュンイチ氏は、排出するには安全基準を超えてしまっている汚染水について、「それがタンクの中に納まっている限り、何か問題になるとは考えなかったのです」と言いました。

ニイツマさんにとって、漁業は単なる生活のための生業ではありません。それは彼にとって、娘を喪った悲しみに耐えるための大切な仕事なのです。ニイツマさんは言います。「TEPCOと政府の両方が、海をきれいにするべきだと思う」と。

「政府とTEPCOには、現実をしっかり見て、情報を十分に開示してほしい」とニイツマさんは言います。今彼は、彼の2トンの漁船を、一週間に三回しか海に出せていないのです。

ニイツマさんのお連れ合い様は、いつも桟橋で夫を待ちます。最近の朝も、彼女が網を漁船から引き出すと、動き回るタコや跳ね回る数匹のホウボウをバケツの中に放り込み、そのバケツをトラックの荷台に乗せて、市場の倉庫へと運びました。

“Nuclear policy is central government policy,” said Yukiei Matsumoto, the mayor of Nahara.「原子力政策は国策の中心に位置づけられています」と語るマツモト・ユキエイ楢葉町町長Credit…Ko Sasaki for The New York Times

福島にいる漁民の家族について、日本政府が関心を払ってきたとはとても思えないと、ニイツマさんは言います。「汚染水を排出することについて、政府関係者が話し合っていますでしょう。そのこと自体が、つまり、私たちのことを考えていないということなんです」と彼女は言うのです。

「排出される汚染水が安全な水準に何で除染されているかどうか」という問題は「程度問題」なのだと、科学者は言います。

もし汚染水が処理され、低レベルのトリチウムだけが残された状態になったとするならば、太平洋に放出することが「コストと安全性から言って最善の解決策」であるだろう、と九州大学で原子力工学の教授を務めるイデミツ・カズヤ氏は言います。

イデミツ氏はさらに加えてこう言いました。「稼働中の世界中の原発施設においてトリチウム汚染水は海洋へと排出されています」と。

一部の科学者は、福島の汚染水が安全な水準まで処理されたのかどうか確かめるためには証拠が示されなければならないと言っています。

「まず人工放射性核種を除去した後の数値を確かめたいと思います。」と、マサチューセッツ州にあるウッズ・ホール海洋研究所で海洋化学と地球化学の上級科学者を務めているケン・ブッセラー氏は言います。「それからなのです。その処理された汚染水が放出されるべきなのかを巡る議論を検討し、そして、その結果がどうなるのかを検討するのは、本当に、それからなのです。」

Fish being prepared for auction in Iwaki.

市場でのセリを待ついわきの魚

Credit…Ko Sasaki for The New York Times

政府担当者は、この汚染水について、科学的に確認されない程度にしか問題はないのだと主張します。

「汚染水が太平洋に放出されると、水産物の価格が下がるかもしれません。あるいは、消費者が購入したくなくなるかもしれない」と、経済産業省で廃炉と汚染水処理を担当しているオクダ・シュウジ氏は言います。「それで、処理された汚染水が危険であるという科学的根拠はないのですが、その海洋放出について、私たちは心配をしているのです。」

2011年の原子力災害の後、現在でもまだ20か国以上で、日本の海産物と農作物の輸入制限を行っています。今年のはじめ、EUはその規制を一部撤廃しました。

福島の海産物は、震災前の15パーセントだけが市場に出ています。そのひと網毎に、サンプリングがされて、福島県庁と漁協によってスクリーニング検査が行われています。

漁協によると、珍しい種類のガンギエイを除くすべての魚種について、日本政府は最近、販売を禁止していないそうです。

漁協の支所長であるサワダ・タダアキ氏は「もし汚染水が排出されたら、政府が請け負う安全性について、市場関係者はおよそ信じなくなるだろう」と言いました。

Mr. Niitsuma on his boat.Credit…Ko Sasaki for The New York Times

ニイツマさんの漁船

「ほとんどの人は、放射能について、細かいことまで十分に理解しないままで過ごすことができます」とサワダさんは言います。「みんなこう言うのです。『だって、どうせ十分に分からないんだもの。福島の魚は買わないよ』と」。

福島県内では、数千人がもう戻ることができない避難生活を送っています。港に戻れた人びとは、いつまでも消えない疑いを胸に抱いています。

「頭の隅で、いつも迷うんです。ここは安全なのかどうかって」と65歳になるナガヤマ・ケイコさんは言いました。彼女の目は楢葉町にある海産物保冷庫を見つめていました。楢葉町は福島原発事故現場から12マイル(約20Km)圏内にあります。

日本政府は非難指示を2015年に解除しました。いわき産のカレイやヒラメ、そしてサンマは店頭に並ぶようになりました。しかし、ナガヤマさんは、いわきよりはるかに北に位置している北海道産のものを選びました。

楢葉町のマツモト・ユキエイ町長は、原発から汚染水を放出することについて意見を求められた際、答えることを拒否しました。

「原子力行政は国策の中心にあるものです」とマツモト町長は言います。「汚染水はそちらの管轄でしょう。」

日本政府は福島にあるいくつかの町の人々に帰還するように強く促しています。楢葉町はそうした町のひとつです。

そうした中で、3,877人だけが帰還しました。それは元の人口の半分程度です。東京の政府は新しい学校や新しいショッピングセンター、そして新しい運動場を整備するために40億円(3,700万米ドル)を助成しました。

先日の午後、ほんの少しの人々がジムを使用していました。25mのプールがその総合運動場に整備されていましたが、泳いでいたのはたった一人でした。

地元のアーティストであるカナムラ・ユカリさんは壁や窓に絵画を描くために雇われていました。彼女の夫であるユウキさんと二人の幼い子供たちだけが、広いプレイルームにいた、ただ一つの家族でした。

ナカムラさんは、福島産とされた鮮魚のラベルを見ると躊躇すると言います。「この魚を拒否することに、私の心は痛みます。この魚を人に勧めることができません。そのことに、心が痛むのです」と彼女は言い、涙を流しました。「漁師さんたちがこれを獲ってきてくれました。その人たちを傷つけたくはない。でも。とても複雑な思いがします。」

筆者であるモトコ・リッチはニューヨークタイムズ日本支局の責任者である。高騰時の不動産、恐慌時の経済、書籍、教育等、広い分野をカバーしている。… Continue reading

汚染水を廃棄したい日本の、最悪の事態を恐れる漁師たち

福島第一原発の原子力災害によって生じた汚染水については、専門家がこれまで公表していたよりも放射能が強いものでした。それで、それを安全なものとして処理すると請け負ってきた政府の立場に対する疑問の声が上がっています。

By Motoko Rich and Makiko Inoue

Dec. 23, 2019『ニューヨークタイムズ』

(翻訳 神学博士 川上直哉)

2011年3月に北日本を襲った激烈な地震と津波は、福島県の沿岸都市に住む漁師ニイツマ・タツオさんから多くを奪いました。

津波はニイツマさんの漁船を破壊し、その家を粉砕しました。そして、実に恐ろしいことに、ニイツマさんにとって何より大切な娘さんの命を奪ったのでした。

その大災害から9年近くたった今、77歳になったニイツマさんは、その生業全体を失う危機にさらされています。津波によって破壊された原子力発電プラントから出る汚染水を、日本政府が海洋に放出しようとしているからです。

安倍晋三首相とその内閣、そして東京電力株式会社(チェルノブイリ以来最悪の原発事故へと至った三つのメルトダウンの現場となった福島第一原子力発電所の管理運営責任主体)は、100万トンに及ぶ汚染水をどうするか、決定しなければならない立場にあります。その汚染水は、原発が設置されていた場所に建設されている1000基に及ぶ巨大タンクに貯蔵されているのです。

去る月曜日(2019年12月23日)、日本の経済産業大臣は、その汚染水を段階的に太平洋に放出することを提案しました。大臣によると、海への放出は「安定的に希釈させ攪拌する」ようにコントロールする、というのです。「タンクの中に汚染水を保管し続ける方法」や「地中深くに注入する方法」を、同大臣は選択肢として排除したのでした。これを受けて、安倍内閣が最終決定をすることになります。

汚染水が発生するメカニズムは以下の通りです。まず、溶けた核燃料があります。それはあまりにも温度が高く、また放射能が強すぎるために、取り出すことができません。それで、その核燃料が収まっている原子炉を冷やすために、水が注入され、そして汚染水が生まれるのです。何年もの間、TEPCOという略称で知られている当該の電力会社は「処理された水は海洋に放出しても安全である」と言っていました。汚染水は強力なろ過装置によってそのほとんどの放射性物質を取り除くことができるというのです。

しかし、専門家が公表していたものよりも、実際の放射能は強いものでした。政府当局によると、処理された汚染水は再び処理され、そして放出に足る安全性を確保することになるというのです。

政府がどんな保証をしようと、汚染水が海へと排出された場合、ニイツマさんのような漁師が数百人単位で漁業をほぼ完全に破壊されることになるでしょう。消費者はすでに福島の魚について心配を募らせているのです。汚染水を海洋投棄すれば、人々の恐怖ははるかに深刻化することでしょう。

「そんなことをすれば、漁業という産業は殺され、漁船の命運は尽きてしまう」とニイツマさんは言います。「魚はもう、売れなくなる」と。


翌年夏のオリンピック期間中に野球の会場を提供するのが福島県です。そして、汚染水タンクが建てられている土地がいっぱいになってきています。そうしたことから、汚染水処理の議論は緊迫の度合いを強めているのです。

昨年まで、TEPCOは次のように示唆していました――「汚染水のほぼすべてについて、ただ一つだけの放射性物質を除いて、すでに放射性物質は取り除かれ、日本政府の示す安全基準を満たしている。残りのただ一つの放射性物質とはトリチウムであり、それは水素の同位体で会って、専門家によればそれは人間の健康に比較的低いリスクがあるだけのものだ」と。

しかしそのTEPCOが、昨年夏、「汚染水のおよそ五分の一だけが、十分に処理されたに過ぎない」と認めたのです。

先月、経済産業大臣は、福島の汚染水について、記者と外交官にブリーフィングを行いました。それによると、汚染水の75パーセントについては、いまだなお、トリチウム以外の放射性物質を含んでいるとのことです。そして、その汚染状況は、人体に影響がある水準として政府が想定しているレベルを超えるものである、とのことでした。

専門家の説明によると、最初の数年の間に原子炉に流入した水について、TEPCOが除染装置のフィルターを十分な回数で交換しなかったのだそうです。そのTEPCOによると、再度ろ過の作業をして、大部分の放射性核種を除去する処理を行い、汚染水をきれいにして太平洋に放出するそうです。… Continue reading

気候変動の時代における原子力の空手形

By Robert Jay Lifton, Naomi Oreskes, 2019年8月20日

(『ボストン・グローブ』と『核化学時報』からの再掲)

翻訳 神学博士 川上直哉

グリーンピースが世界銀行へ派遣したコメンテーターたちは、「気候変動は私たちの惑星の文明と生命を脅かす緊急事態であるか?」という質問に「そうだ」と答えています。気候変動に対して、どんな解決策が採られるかはわかりません。しかしその解決策を講ずる際には必ず、「化石燃料の段階的な廃止による温暖化ガスの制御」を実現して「代替的エネルギーへの転換」を実現し、そして同時に「人類という種が地球上で活動するために必要とされるエネルギーを供給し続けること」が実現されなければなりません。

この冷厳な現実を直視した結果、著名な人々の中から、原子力エネルギーを再び採用しようと考える人が出てきました。その人たちは、原子力エネルギーを「きれいで、効率的で、経済的で、安全である」と確言しています。しかし実際には、これらのどれも真実ではありません。原子力エネルギーは高価であり、私たちの心身への脅威となり、健康に重大な危険をもたらすのです。たとえば、米国エネルギー情報局によると、平均的な原子力発電コストは「1メガワット時あたり約100ドル」とされています。これを、他の発電方法と比較してみましょう。太陽光発電では「1メガワット時あたり50ドル」です。陸上風力発電では「1メガワット時あたり30ドルから40ドル」なのです。金融グループのラザードは最近次のように発表しました。「再生可能エネルギーのコストは“従来の発電(つまり化石燃料)”の限界コスト以下である」。これはつまり、再生可能エネルギーのコストは原子力よりもはるかに低い、ということなのです。

「理論的」には、これらの高コストと長い建設時間は削減できるとされます。しかし、半世紀以上かけて検証してみたところ、その「理論」は完全に論駁されてしまいました。他のほとんどすべての技術とは異なって、原子力のコストは、時間の経過と共に上昇したのです。原発の支持者でさえ、今や「自由市場環境下では原発の市場競争力はまったくない」ことを理解しています。原発を批判的に見ている人たちに至っては「原子力産業は“負の学習曲線”をたどっている」とまで指摘しているのです。OECDの原子力機関(NEA)と国際エネルギー機関(INEA)の両方が、次のように結論を出しました。つまり、「原子力が“低炭素のベースロード電源であることが実証されている”としても、気候とエネルギーの絡まりあった諸問題への回答として原子力を活用することは簡単ではない。コスト・安全性・核廃棄物処理についての深刻な懸念が存在しているからだ。産業界側はその懸念に対処する必要にせまられることだろう。」という結論を公にしたのでした。

更に、無視できないより深い問題があります。放射能の恐怖と、それがもたらす現実と向き合わなければならないという問題です。これは「目に見えない汚染」と呼ばれる問題です。この「見えない汚染」という言葉で、ある種の毒物が体内にたまっているということが意味されています。原子力災害の影響を受けていないように思われる人にも、どんな時でも、人はこの「見えない汚染」に苦しめられていきます。この「見えない汚染」の恐怖は、非合理なものではありません。というのは、放射線の影響は時間をおいて現れるのですから。さらに、壊滅的な核事故のことを考えなければなりません。それはまれにしか起こらないものです。しかしそれは、ひとたび起これば、上述の物理的および心理的結果を大規模にもたらすことになるのです。完璧な技術システムはありません。そして原子力関連の技術が持つ脆弱性は特別に大きいのです。設計を改善しても、致命的なメルトダウンの可能性を排除することはできません。こうした危機は、天災によっても生じ得ます。地震、火山、津波などの地球物理学的出来事(福島の事故を引き起こしたものなど)があり得るのです。技術的な錯誤や、どうしても起こる人為的ミスから大事故が引き起こされることもあります。気候変動それ自体が、原子力と折り合いが悪いものです。たとえば深刻な干ばつが起きていますが、そのような気候変動によって原発周辺の水温が非常に高くなれば、原発にとって決定的に重要な冷却機能が維持できなくなり、原子炉のシャットダウンに至ることでしょう。

原子力エネルギーの支持者は、福島とチェルノブイリの壊滅的な事故について、いつも常に過小評価しています。原子力エネルギーの支持者は、これら2つの災害で即死した人数が比較的少なく記録されていることを指摘します。それその通りなのです。しかし、そこから医学的に予測される数値については、まったく適切に考慮されていないのです。災害の混乱があり、専門家による極端に誤った操作がありましたので、二つの原子力過酷事故から予測される様々な推定値に、大きな不均衡が生じてしまいました。しかしそれでも、チェルノブイリ関連のプロジェクトによって得られた情報に基づくならば、数万から50万人にも及ぶ将来の癌死が予測されたのでした。

チェルノブイリと福島の研究では「目に見えない汚染」による恐怖が心の自由を奪うということも明らかになりました。この恐怖は広島と長崎を飲み込み、福島の人々の経験と被爆都市の人々の経験とを、痛ましくも接続してしまいました。身体的また心理的に安定しているとは、とても言いがたい。それが福島の人々の現状です。同じ恐怖がチェルノブイリを苦しめています。チェルノブイリでは、多くの人々が強制的に移動させられました。チェルノブイリ周辺の地域は今も、放射能によりその全体が汚染され、住むことができないままなのです。

実際の放射線障害と、放射能が引き起こす不安な予感の組み合わせ――つまりそれが「目に見えない汚染」の恐怖です。それは原子力技術が使用されている場所ではどこでも起こるのです。原子爆弾や大事故の現場だけでなく、ワシントン州ハンフォードでも起こります。そこには長崎型原子爆弾の廃棄物が保管されているのですから。コロラド州ロッキーフラットでも起こります。そこでは数十年にわたって核兵器製造工場があったのですから。ネバダ州その他の核実験場所でも起こります。核実験に伴い、そこで兵士たちが被ばくしたのですから。

原子炉はまた、核廃棄物の問題を引き起こします。半世紀にも及ぶ科学的および工学的努力にもかかわらず、適切な解決策が見つからなかったのです。原子炉がもう維持できないと判断され、核施設が閉鎖された、その後でも、そこに蓄積された廃棄物は危険なままであり、実際のところ、不滅なのです。プリマスのピルグリム原子炉でも、最近同様のことが明らかにされました。バーモントヤンキーでも、経済的な理由で核施設が閉鎖されたのですが、その後に同じ問題が残されました。1982年に放射性廃棄物政策法が施行され、米国政府は全核廃棄物の恒久的な貯蔵所を開発しなければならなくなりました。しかしそれから40年近くたった今でも、まだその貯蔵庫は不足したままなのです。

最後に、最も重大な危険性があります。原子炉から取り出されるプルトニウムと濃縮ウランは、核兵器製造のためにも使用可能なものとなります。ウランを商業用原子炉用に濃縮するために必要とされる技術は、そのまま、ウランを核兵器用に濃縮する技術へと、簡単に移転できるのです。商業用のウラン原子炉が作動すると、燃料の核分裂によりプルトニウムが生成され、最終的に高レベル放射性廃棄物が生み出されます。原子力が大規模に使用されるとき、常にそこには、兵器化への可能性が開かれるのです。当然ながら、原子炉はテロリストにとって潜在的な標的になります。それは潜在的兵器でもあるのですから。

現在450以上の原子炉が世界中にあります。緊急事態に対処する技術をもって原子力を考えてみましょう。そうすると、核危険地帯の地球規模の連鎖がそこに見えてきます。その危険性は、惑星規模での消滅のリスクを秘めたレベルのものです。そうしたことを考えるとき、原子力開発への恐れを持つことは、実に合理的なものとなります。不合理なのはむしろ、こうした懸念を締め出すことです。実に「半世紀以上の経験を経て“第4世代”の原子力がすべてを変える」と主張することこそ、不合理なのです。

原子力の支持者は、しばしば核エネルギーを、炭素を多く含む石炭エネルギーと比較します。しかし、石炭は問題ではありません。すでに世界の舞台から、石炭は脱落しつつあるからです。適切な比較をするとすれば、それは原子力エネルギーと再生可能エネルギーの間で検討されるべきです。再生可能エネルギーは、経済革命とエネルギー革命の一部となっています。ほとんどの専門家が予測したよりもはるかに迅速に、広範囲に、そして安価に、再生可能エネルギーは利用可能になりました。また、一般市民からも高く評価され受容されています。必要とされる規模で再生可能エネルギーが使用されるためには、エネルギー貯蔵・グリッド統合・家電のスマート化・電気自動車用充電インフラの整備に改善が加えられなければなりません。今、全面的な国民的努力が求められています。第二次世界大戦のときのような規模の努力です。あるいは皮肉なことに、原爆製造の時のような国家規模での努力です。再生可能エネルギーがすべての領域を覆い、「アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ」を統合するところまで、努力を続けなければなりません。ガスと原子力は、そのために過渡的な役割を果たすでしょう。しかし、私たちの心身に永続的に影響してその機能を低下させ、その深刻な脅威となる、そんな技術のために私たちの惑星の将来を賭けることは、実際的ではありません。

とりわけ、私たちは「核の神秘」から自分自身を解放する必要があります。「核の神秘」とは、放射線が纏う魔法のオーラで、マリー・キュリーの時代から私たちを魅了し続けてきました。「平和のための原子力」という言葉が示すビジョンを、疑ってかからなければなりません。そのビジョンは、核兵器を普通のものと思わせる詐術にいつも伴ってきたものです。究極の破壊のために設計された技術が、究極の生活向上のための手段に一変する――そんな誤った希望が流布しています。私たちはそこから自らを引きはがさなければならないのです。… Continue reading

Quand les Californiens vont-ils enfin prendre conscience du danger des radiations pour les enfants ?

Akio Matsumura

Le 7 mars, l’Inter Press Service (IPS) a publié mon article, “Huit ans plus tard Fukushima pose encore des problèmes sanitaires pour les enfants,” et j’ai été très heureux de savoir qu’il était le deuxième article le plus populaire cette semaine-là. Apparemment de nombreux lecteurs ont été surpris d’apprendre qu’il faudrait au moins quarante ans pour retirer les coriums des trois réacteurs dévastés de Fukushima.

Cette révélation me rappelle la conversation que j’ai eue avec le physicien Hans-Peter Durr, aujourd’hui décédé, ancien directeur de l’Institut allemand Max Planck, après l’accident de Fukushima en mars 2011.  Hans-Peter m’avait appelé  pour dire que l’accident de Fukushima était bien pire que ne voulaient l’admettre le gouvernement japonais et TEPCO face au public et il me suggérait de parler au Premier Ministre japonais de l’urgence de la situation. Quand je demandai à Hans-Peter combien de temps il faudrait pour résoudre l’accident de Fukushima, il me répondit que cela prendrait au moins quarante ans.

Ce fut un grand choc pour moi que de réaliser que les effets d’un accident provoqué par les hommes prendraient aussi longtemps à résoudre. Par comparaison, vingt ans après la destruction complète de Tokyo pendant la Seconde Guerre Mondiale, Tokyo réussissait à accueillir les Jeux Olympiques de 1964. Mais la vaste zone affectée par l’accident nucléaire de Tchernobyl en 1986 reste dévastée 33 ans plus tard et le restera sans doute encore pendant de nombreuses décennies, voire des siècles.

Les deux premières guerres mondiales ont détruit d’énormes superficies urbaines et pourtant beaucoup de ces villes ont été reconstruites en moins de 20 ans.… Continue reading

子ども達への放射能リスクにカリフォルニアの人々が目覚めるのはいつか?

松村昭雄

(翻訳 川上直哉)

3月7日のインタープレスサービスは「8年後のフクシマ:高まる子ども達へのリスク」という私の記事を発表しました。この記事は、その週で2番目の評価を得ました。高評価を得て、私はほっとしています。お読みくださった多くの方々は「事故現場から炉心を除去するだけでも40年はかかる」と知って、驚いているようです。

ここで、故ハンス‐ピーター・ダー博士(ドイツのマックス・プランク研究所元所長)との会話を思い出します。それは2011年の3月にフクシマ事故が起きた時の会話でした。ハンス‐ピーター博士は私に電話で「フクシマ事故は日本政府や、TEPCOが公に発表したよりはるかに状況が悪く、この緊急事態について首相に話した方が良い」と示唆されたのでした。そこで私が博士にフクシマ事故の解決にどれくらいかかるか聞くと、博士は「少なくとも40年はかかるだろう」と答えたのです。

解決するのにそんなに長いことかかる人災が、どんな影響を残すのか。その答えは、私には衝撃的なものとなりました。例えば、第2次世界大戦で完全に壊滅状態となった東京はどうでしょう。その東京は、壊滅の後20年で1964年オリンピックを招致しました。他方で、1986年のチェルノブイリ事故で影響を受けた広大な地域はどうでしょうか。その地域は、33年後の今も不毛の土地のままです。おそらく更に数十年もしくは数世紀にわたり、その状態は変わらないのでしょう。第1次及び第2次世界大戦はたくさんの都市を破壊しました。しかし、その時破壊された都市でも、20年以内には再建されまたのです。つまり、核戦争に至らなかった世界大戦によって破壊された場合、その破壊された環境そのものは比較的健全に保たれていたのですが、原子力による放射能の影響を受けた場合、その場所の一部或いは全部が、数世紀もの間、居住不能な状態となる、という違いが、ここにはっきり見て取れるのです。

原子力施設の「管理された」環境内で、使用済み核燃料棒は10万年間安全な場所に保管されなければなりません。また、世界中から産出される25万トンの放射性廃棄物は数千年間にわたりあらゆる生命を危険に晒し続けるでしょう。人類が地球上に生存する時間をも越えて行くほどの長い期間が、ここで問題になっています。そんな課題と向き合ったのは、初めてのことです。この新しい発見を、私と私の読者の多くの方が共有したのでした。

フクシマの原子力事故に関連するいくつかの事実に基づいて、私は、太平洋の海洋生物への放射能被害と、それに伴う福島の子ども達・北アメリカの子ども達への健康リスクについて、次のような懸念を抱いています。          1

1.放射性炉心の除去に少なくとも40年(私の核科学者の仲間達は60年から80年とも言っています)かかる。今のところ、誰も放射性炉心の正確な場所は解っていない。従って、それをどうして取り除いたら良いか解っていない。また、その正確な場所が解って、取り除く方法と封じ込める方法が決まったとしても、それを実行するのにどれくらい長くかかるのか、解らない。

2.遠隔操作ロボットによって計測された最新のデータによると、2号原子炉の放射能数値は毎時530Svで、2011年3月のメルトダウン以来最高値であった。放射能を帯びた風は毎日北アメリカに向かって流れている。福島のすべての放射能が封じ込められるまで、それは続く。

3.110万トンの極めて高い放射能汚染水が、1000に及ぶ保管タンクの中にある。これらのタンクは緊急事態に対応して建てられたものであり、従ってそれに40年間の耐久性は期待できない。

  • 福島のその地域に更にタンクを建てるスペースはない。早かれ遅かれ、太平洋に汚染水を放出することになる。
  • 信頼できる幾つかの調査によると、日本政府の最善の努力にも拘らず、放射脳汚染水のすべてを保管タンクに取り込むことが実際は不可能なため、何十万リットルにも呼ぶ汚染水が毎日太平洋に漏れ出ているという。
  • 強い地震又は富士山の噴火が、近い将来、予測されている。3つの損傷した原子炉について言えば、地震等の強い衝撃に耐えられるかどうか、かなり疑わしい。もし3つ損傷している炉心の内の1つでも崩壊した場合、どうなるか。あるいは、各々の原子炉の炉心が地震の圧力に晒されさらなる衝撃を受けたら、どうなるか。その時は、現在の危機に重なる形で、極めて最悪の事態が引き起こされるであろう。

科学者の誰も、上記の事実に異議を唱えていません。それで、私は以下のような懸念を覚えています。

  • 広範に広がるフクシマ周辺の地域や、北アメリカの西海岸には、小さな子どもたちや子どもを生む年齢の女性がいる。その一人一人に、放射能環境汚染が脅威を与えている。そのリスクは衰えていない。
  • 福島原子力発電所に隣接した海は、絶え間なく放射能によって汚染されている。魚をはじめとする海洋生物は、放射性核種を益々摂取している。従って、太平洋に接するすべて国々は、長期に渡る水産物の汚染のリスクを増大している。

元京都大学の小出裕章博士は大変尊敬される原子力を専門とする科学者です。彼によると、日本は元来、法定被爆許容量を「一般人は年間1ミリSv / 原子力研究者は年間20ミリSv」と設定していたそうです。しかしながら、福島核事故以来、日本政府は公式に原子力緊急事態宣言(RP1)を発表して、関連する法律を無効にしました。避難者は今、核事故前の法定許容限度より20倍も高い放射能被爆が予想される場所に戻されようとしています。このことについて、ある国連の特別調査委員が非難していました。

小出裕章氏(元 京都大学原子炉実験所助教)は、原子力の専門家であり、大変尊敬されている科学
者です。彼によると、日本は元来、法定被爆許容量を「一般人は年間1ミリSv / 原子力研究者は
年間20ミリSv」と設定していたそうです。しかしながら、福島核事故以来、日本政府は公式に原
子力緊急事態宣言(RP1)を発表して、関連する法律を無効にしました。避難者は今、核事故前の
法定許容限度より20倍も高い放射能被爆が予想される場所に戻されようとしています。このこと
について、ある国連の特別調査委員が非難していました。

フランスの大気環境研究センター(CEREA)の放射線シュミレーション地図によると、カリフォルニア州に於ける放射線レベルは、日本の北海道のそれよりも高いようです。その分析は、小出教授の調査とも一致しています。今後40年の間に米国西海岸で追跡する放射能がどんな影響を与えるか、科学者は未だ計算していないことでしょう。短期或いは長期的戦略を計画するためには、現在の状態を分析し、最高の専門知識と財源をつぎ込める国際アセスメントチームが必要です。福島からの放射能は、気流によって運ばれます。その流れはアメリカ西海岸で止まらない事に注意を払わなければなりません。実際これは国家的そして地球的問題なのです。

生命を脅かす状態があります。その解決方法は、今のところまだ社会的合意を得ていません。そうした現状を指摘することは、とても難しいことです。そこには複雑な障害があるのです。まず最初の障害は、意図的な組織的沈黙です。実際のところ、「解決方法も無い以上、それを話す価値は無い。ストレスと不安レベルをあげることはないのだ。」という議論には、もっともらしいところがあるのです。しかし、福島からの8年に及ぶ、衰えることのない汚染水漏れが検証されるならば、放射能レベル計測と予測できる健康被害に関して政府と学級的世界が組織的に沈黙していることは、必ず暴露され、問い直されるはずなのです。

カリフォルニアは現在世界で5番目に大きな経済圏に位置しています。農業、科学、科学技術、メデイア、観光の分野で、主要な地位を占めています。しかしこのカリフォルニアの経済的な力が引き続き発揮されるためには、土地と市民の健康が維持されなければなりません。

カリフォルニアの人々にとって、フクシマをはじめとする様々な場所に起因する絶え間ない放射能汚染の事実を厳しく査定すべき時は、もう終わりました。未来世代にその問題を押しつけてはいけないのです。今、私たちはアメリカの原住民の諺に学ぶべき時だと思うのです。それは、こういう諺です――我らの大地は祖先から受け継いだものではない。それは我らの子ども達から借りているに過ぎないのだ。Continue reading

Huit ans plus tard, Fukushima pose encore des problèmes sanitaires pour les enfants

Akio Matsumura

Des niveaux de radiation toujours élevés dans les réacteurs endommagés

Le 11 mars 2019, nous commémorons le huitième anniversaire de la catastrophe nucléaire de Fukushima. Vu de l’extérieur, cet anniversaire coïncide avec un rapport de suivi technique, la présentation d’un nouveau robot ou un bref article montrant que la situation là-bas redevient peu à peu normale.

Test d’un enfant dans la préfecture de Fukushima, au Japon

Et pourtant, au Japon, le gouvernement ne sait toujours pas comment atteindre ou tester ces cœurs irradiés dans les trois réacteurs dévastés qui continuent à contaminer l’eau tout autour du site de la fusion. Le gouvernement ne sait pas où il va mettre ce matériau radioactif, une fois qu’il aura réussi à le récupérer. En attendant, le gouvernement et l’opérateur du site n’ont quasiment plus de place pour stocker l’eau contaminée qui remplit toujours plus de citernes. Le démantèlement est censé prendre quarante ans ; le coût est estimé à 195 milliards de dollars.

Les dernières mesures de radiation officiellement publiées datent de 2017, quand Tokyo Electric Power Company avait dû envoyer un robot contrôlé à distance pour détecter le niveau de radiation dans le réacteur no.2, puisqu’il est impossible aux humains d’approcher le réacteur dévasté. Les chiffres étaient de 530 sieverts par heure, soit un taux record depuis la fusion de mars 2011. Il n’y a aucune raison de penser que les chiffres ont baissé depuis. Des robots contrôlés à distance sont utilisés dans les autres réacteurs également, ce qui suggère que les niveaux de radiation doivent  y être similaires.… Continue reading

8年経ってなお、フクシマは日米の子供達に健康被害をもたらしている

松村昭雄

損傷を受けた原子炉で高い放射能レベルが続く

2019年3月11日、フクシマ原発事故から8年を迎えます。外部の観察者にとりこの記念日は技術的進歩報告、新しいロボットの調査、又はそこでの生活がゆっくりと正常な状態に戻っているかについての短いストーリーを提示します。

しかし、日本政府はメルトダウンした敷地周辺の水を汚染し続けている損傷した3つの原子炉内で、放射線にさらされた炉心に触れ、テストする方法を未だ見いだせていません。

政府は放射性物質を動かす方法が解ったとしてもそれをどこに置いたら良いのか解りません。

その間も、政府と敷地のオペレーターは、汚染水を貯蔵する部屋を使い果たしており、汚染水は更に沢山のタンクに増え続けています。一掃するのに40年かかると推定され、費用は1950億ドルと推定されています。

最新の公表された放射線レベルの調査結果は2017年からのものです。その年、東京電力は損傷した原子炉に人が近づく事が出来なくなった為 2号原子炉では、遠隔操作ロボットを使用しなければなりませんでした。2011年3月以来の最高値は1時間あたり530シーベルトを計測しました。それ以来、数値が低くなったという根拠は考えられません。

遠隔操作ロボットは他の原子炉でも同様に使用され、放射能レベルはそこでも同様に高いのです。

たとえ、ロボットを使用しても、ロボットは1,000シーベルトの曝露にしか耐えられず、仕事はほんの短い時間、この場合は2時間以内に限られます。

これは極めて大量の放射線です。東京電力がその数値を発表した後、朝日新聞は次のように報道した。「国立放射線科学研究所の職員が医療専門家達は彼らの仕事でこれほどのレベルの放射線を扱うと考えたことはなかったと述べました。

ジャパンタイムズは 田辺文也博士は原子力安全の専門家ですが、研究結果はそのプラントの実際の廃炉への準備とプロセスは、期待したよりはるかに困難が予想されることを示していると言った と引用しました。

フクシマの子供達は国際的注目を必要としています。

この惨事では沢山の犠牲者がいます。数千名もの人たちは自分の家を移らざるをえませんでした。地元の漁師は政府が汚染水の貯蔵タンクを海に放棄する計画を進めていることを懸念しています。汚染された風の流れと汚染水が北アメリカに到達し、更にこれから

40年間それが続くと心配する人達もいます。

これらの重要な問題の中でも我々の注意を最も必要とするのはフクシマの子供達です。

彼らは最初の被爆にさらされているため、がんのリスクが最も高いのです。

チェルノブイリにおいて、私達が持っている唯一の比較可能な、症例で、

2005年迄の国連によると6,000件を超える小児甲状腺がんの症例が発見されました。

フクシマの子供の甲状腺がんの割合は国全体の割合より高いと実証されました。しかしそれは潜在的な病気です。完全な影響がどのようになるのかを言うことは時期尚早です。しかし、この問題が行動を必要としていることは明らかです。

科学者はいつも、不確実性に左右され異なる意見を出します。しかし、又悲しい事に

政治、お金、野心にも左右されます。実証は誇張されている、過小評価されている と言う人もいれば、確証するには早すぎる段階にあると主張する人もいるでしょう。あるいは

私達は結果を明らかにするには時間が必要だと言う人もいるでしょう。私は国連や国際科学会議でこれらの議論の実例をたくさん見てきました。何故私達は待って同じ過ちを繰り返すのでしょうか?

ヘレンカルデイコット氏は、医者で、1985年にノーベル平和賞を受賞した、より大きな傘のグループの一員であり、社会的責任を負う内科医達を創立した会長ですが、次のように書いています。ほとんどの政治家、実業家、技術者、原子力科学者は放射線生物学と放射線が癌、先天性奇形、そして世代を超えて受け継がれる遺伝病を引き起こす方法への本質的理解がなく、又子供達が大人よりも20倍も放射線感受性が高いこと、女子は男子や胎児より2倍又はそれ以上傷つきやすいということを認めません。

ユニセフはリード出来ます。

私達は気候変動、貧困緩和、安全保障という複雑な課題に直面しています。子供の健康と福祉は常に私達の再優先事項であらねばなりません。彼らは私達の未来であり私達の最も深い目的は彼らを世話し彼らのため準備しなければなりません。充分にフクシマの影響を調べもしないで決定を下すことによって、彼らを見捨ててしまいます。

私達は皆、個人的にはそれに、同意します。しかしどの組織がそのミッションを遂行するのに最適な立場にあるのでしょうか?私にとってユニセフ、国連国際子供緊急基金が唯一の答えです。実に、子供達を国家安全の上に置くことはユニセフの核心です。モーリス

パテは1947年にユニセフの創立の時参加した、アメリカの人道主義者で、実業家で、「ユニセフが人種や、政治に関係なく元敵国の子供達に奉仕すること」を条件に事務局長になることに同意しました。1965年、パテの任期の最後にその組織はノーベル平和賞を受賞しました。

今日まで、そのミッションは最も不利な条件の子供達、つまり、戦争、惨事、極貧、あらゆる種類の暴力、搾取等の犠牲者、身体障害者、の特別保護を保証の公約に含んでいます。

フクシマの子供達はユニセフの保護に該当します。

              フクシマの子供達は国際的注目を必要としています。

日本語訳 佐藤江美 平和活動担当 国際仏教教会 … Continue reading

La force du leadership individuel face aux sens cachés des situations : l’exemple du Cheikh Kuftaro, Grand Mufti de Syrie

Akio Matsumura

الشيخ أحمد كفتارو.jpg
Le Cheikh Kuftaro, Grand Mufti de Syrie
(1915 – 2004)

Le Président Trump a annoncé cette semaine le départ de Syrie des soldats américains, malgré les messages d’opposition de certains de ses conseillers comme John Bolton et Brett McGurk. Cette décision a eu entre autres pour effet de replacer la tragédie syrienne au centre de l’actualité américaine et de nous la remettre à l’esprit.

Quand je vois les informations, je pense aux enfants, à la terreur et aux peurs auxquelles ils ont été confrontés et qu’ils gardent en eux-mêmes. Je pense aux morts, à ce demi-million de personnes qui ont perdu la vie dans cette guerre. Je pense aux six millions de réfugiés qui essaient de se refaire une nouvelle vie et à tous ces millions de gens déplacés à l’intérieur du pays et qui ne peuvent ou ne veulent pas traverser la frontière. Au-delà des frontières, la région est pleine de gens qui souffrent, que ce soit à cause de la guerre civile en Iraq, du combat des Kurdes pour leur autonomie ou de la lutte incessante pour le contrôle politique et la sécurité en Israël et en Palestine. Je me souviendrai toujours des efforts déployés par le Premier ministre Rabin, avant son assassinat, pour organiser une nouvelle conférence du Global Forum avec le président palestinien Arafat.

La crise syrienne n’était pas inévitable. Ce sont des hommes, des chefs politiques et religieux, syriens ou étrangers, à la recherche de profit ou de gloire, qui ont entraîné la Syrie dans cette crise.… Continue reading

個人が発揮するリーダシップの隠された意味と力: シリアのグランド・ムフティ・クフタロ師を想起して

松村昭雄

(翻訳 神学博士 川上直哉)

الشيخ أحمد كفتارو.jpg

「シリアに展開している部隊を撤収する」と、トランプ大統領が今週、発表しました。ジョン・ボルトンやブレット・マクガークといった側近の反対を押し切っての決定でした。政治的な問題はさて措くとして、この決定によってシリアで起こっている悲劇への関心が新しく呼び起こされることでしょう。すでにアメリカのニュース番組や情報サイトそして私たちの頭の中でも、「シリア」という言葉がいつも最初に現れるようになっています。

ニュースを見てみますと、子どもたちのことが気になってきます。無理矢理持ち込まれた暴力と恐怖は、子どもたちの中を行き廻り、苦しめています。また、死者のことを思いますと、心が痛みます。今行われている戦争で、50万人にも及ぶ人命が喪われました。そして、何とか生き延びようとしている600万人の難民のことが気がかりです。数百万に及ぶ人々が、国内に居場所を失いつつ、その上で国外に出られない、あるいはそれでも国外には出たくない、という環境に置かれています。難民となってシリア国境線を超えて国外に脱出すると、どうなるのでしょうか。そこには新たな困難が待ち受けています。イラクには内戦があります。クルド人は独立を求めて戦っています。イスラエルとパレスチナの間には、政治的支配と安全保障をめぐる戦いが継続中です――1995年12月にエリコで開催されるはずだった「グローバルフォーラム」のために尽力したラビン首相のことを、これからもずっと、思い出し続けるでしょう。ラビン首相はアラファト議長と共に力を尽くしました。彼の力強い努力は、彼が暗殺されるその時まで続いていたのでした。

シリア危機は、避けられたはずの出来事でした。それは人災と呼ぶべきものです。政治的・宗教的指導者が、シリアにおいて、あるいは世界中で、自らの利益や栄誉を求め、そして今般の危機へと進んだのです。その責任の所在について、今は措いておきましょう。ただ、今私は「人々(people)」ということを強調して考えたいのです。「制度・機構(institution)」ではありません。「人々」が、変革をもたらすのです。「制度・機構」は道具です。それを使うのは「人々」なのです。

実に、個々人こそが、物事を良くして行く可能性を持った最良の主体でもあるのです。それでは今、シリアで起こりつつある内戦に向き合うこの時、「個々人」あるいは「人々」が持つ力が、いったいどんな出来事をもたらすというのでしょうか。

ここで私は、ひとりの人の叡智を思い出します。その人の名はグランド・ムフティ・クフタロといいました。1964年から、その生涯を終える2004年まで、卓越した宗教指導者としてシリアに尽力した人物です。彼の叡智があれば、シリア危機を避けることもできるかもしれない。そのことを確かめることこそできないのですが、私はそう確信しているのです。

ある時、私は、とても繊細な政治的問題について、グランド・ムフティ師と話し合わなければならなくなりました。そのころ、私はしばしば共産国やシリアなどにいる仲間と電話で話し合うことがありましたが、そういう時はいつも、その電話が盗聴されていることを想定しなければなりませんでした。ですから、私はいつも、自分の使う言葉を注意深く選ぶ必要がありました。私の友人に不利益が及ぶことがないように、細心の注意を要したのです。

二日間、私は悩みぬきました。私の胸の内にあるこの議題を、グランド・ムフティ師に伝えたい。その最良の方法はなんだろう。もし私が「あなたを訪問したい」と言ったら、外務省関連の役所で引っかかってしまって、宗教関連の役所との交渉までずいぶん手間取ってしまうだろう。これが私の心配でした。そんなことになれば、ビザの申請から始まって、私が所属している国連の手続き等、様々な事柄に時間を取られることは必至だったのです。

それで、私はこう言う事に決めました。「グランド・ムフティさん、あなたに“会いたい”のですが・・・。」この私の言葉へのグランド・ムフティ師の返答に、私はずいぶん驚かされたものでした。彼はこう答えたのです。「アキオさん、ありがとう。国際会議への私の招待に応じてくださったのですね!」もちろん、そんな国際会議は存在していなかったのです。グランド・ムフティ師は、私の声を聞いてすぐ、状況判断を下し、私の胸の内に秘めていた課題をどう取り扱ったらよいか察知したのでした。彼の叡智を、私は印象深く心に留めました。彼にはそこにあった困難な状況にどう立ち向かたら良いかを見抜く力があったのです。片方には役所が持つ窮屈な硬直性があり、他方には理想を目指す政治が日進月歩で変動する。この二つの間に、いつも課題が生じます。彼には過去の知見を参照し、その問題について理解する力がありました。彼の視野はいつもとても広く、彼はいつも遠くまで見通す人だったのです。

グランド・ムフティ・クフタロ師がアル=アサド大統領と出会っていたら・・・それも、今起こっている問題の、まだ初期の頃、メディアなどで広く知られる形ではなく、二人が出会っていたら――と、考えてしまいます。もしそうしていたら、ムフティ師の叡智は、きっと、状況が制御不能となる以前へと、アル=アサド大統領の思いを向けなおしてくれたのではないか。この推測は、単なる希望的観測を超えたものだと、私はそう確信しているのです。

しかし、今既に、内戦状態となってから7年もの月日が経ってしまいました。私たちの目には、ただ暴力だけが継続し、政治的な解決など何一つないように見えます。米国の指導者たちは、勇気をもって行動を起こすことをせず、面目を保つことも諦め、別の方法を試す努力を放棄しています。難民と移民は、その存在自体が欧州と英国の社会的分断を激化させながら、今も相変わらず不当に取り扱われています。この現実を前に、何とかもっと建設的な見通しを持てないかと、私も苦慮しています。この状況がどんな帰結に至るのか、その全体像を把握することすら、私たちの指導者にはできていない。そんな数年間を私たちは過ごしてきました。そして、この現実はただひたすら悪くなっています。

私たち社会の側が、既存の制度や機構に信頼することは、もう、できないようです。それでも、個々人に希望を託し続けるべきです。ソーシャルメディアは肥え太り、無責任な記事と怒声・罵声にあふれかえっています。もうそこに信頼すべき記事を見出すことすら難しくなってしまいました。しかしそれでも、勇気が発揮される余地を残さなければなりません。シリアに解決をもたらすべく話し合うのは、制度や機構ではなく、個々人なのです。そして、欧州に現れた新しい社会を通して私たちを導くのも、制度や機構ではなく、個々人なのです。

グランド・ムフティ・クフタロ師がいてくれればと、思われてなりません。シリアでも、大切なのは彼のような個人の働きなのです。そのことは、絶対に確かなことなのです。


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Incendios forestales de California y radiación nuclear – una historia personal

Queridos amigos,

Espero que este correo les encuentre con buena salud y espíritu.

Cuando el gobierno de Japón anunció el año pasado que tomaría al menos cuarenta años eliminar los núcleos irradiados de tres reactores devastados en Fukushima, me centré en los peligros que podría ser presentados por cuarenta años de viento radiactivo y agua contaminada de Fukushima, a la vida marina y a la gente norteamericana.

Si uno preguntara a los vulcanólogos y sismólogos japoneses sobre la posibilidad de la erupción del Monte Fuji y un terremoto fuerte en Tokyo dentro de las próximas cuarenta años, dirían que es casi seguro que suceda. A pesar de que es probable que se produzcan daños en la vida humana, el medio ambiente y la economía, las personas lo ignoran porque no pueden pensar tan adelante. Solo son cuarenta años. Mientras tanto, la radiación es peligrosa por miles de años. ¿Cómo aprendemos a conectar estos marcos de tiempo a nuestra vida humana?

Me alegra presentarles “Incendios Forestales de California, y Radiación Nuclear,” escrito por Gregg Lien, un abogado de Lake Tahoe, California, que especializa en el uso de terreno y cuestiones medioambientales. Mientras avanzamos, me gustaría introducir las opiniones de observadores y expertos de muchas profesiones sobre la acumulación de radiación emitida de Fukushima por cuarenta años. Espero escuchar sus sugerencias sobre las acciones que podemos tomar ahora para reducir la carga para las generaciones futuras.

Saludos,

Akio


Incendios forestales de California y radiación nuclear
Una historia personal

Traducido por Colin McAndrews

Cuando compré un detector de radiación fácilmente disponible, justo después del desastre de Fukushima en 2011, nunca habría pensado cómo afectaría la forma en que veía el mundo.Continue reading