Incendies en Californie et radiations nucléaires

Chers amis francophones,

J’espère que mon mail vous trouvera en bonne santé physique et morale.

Quand le gouvernement japonais a annoncé l’an dernier qu’il faudrait au moins quarante ans pour retirer les cœurs irradiés des trois réacteurs dévastés de Fukushima, je me suis penché sur les dangers que pouvaient représenter quarante ans de vent radioactif et d’eau contaminée en provenance de Fukushima pour la vie marine et la population nord-américaine.

Quand on demande à des vulcanologues et des sismologues japonais quelle est la probabilité d’une éruption du Mont Fuji et d’un puissant séisme à Tokyo dans les quarante prochaines années, ils répondent que c’est presque une certitude. Ainsi, malgré les dommages majeurs que cette catastrophe infligerait à la vie humaine, l’environnement et l’économie, les gens préfèrent ne pas y penser parce qu’ils ne peuvent pas se projeter si longtemps à l’avance. Et cela n’est que quarante ans. Les radiations restent dangereuses pendant des milliers d’années. Comment pouvons-nous apprendre à relier des périodes aussi lointaines à notre durée de vie d’humains ?

Je suis heureux de vous présenter “Les incendies en Californie et les radiations nucléaires,” un article de Gregg Lien, avocat à Lake Tahoe, en Californie, spécialisé dans les questions d’environnement et d’utilisation des terres. Je voudrais, pour aller plus loin, présenter l’opinion d’observateurs et d’experts de secteurs variés sur 40 ans d’accumulation de radiations en provenance de Fukushima. J’aimerais entendre leurs suggestions pour savoir quelles mesures prendre dès aujourd’hui pour réduire le fardeau des générations futures.

Avec l’assurance de ma considération,

Akio

 


Les incendies en Californie et les radiations nucléaires – Une histoire personnelle

Gregg Lien

En achetant un détecteur de radiation facilement trouvable dans le commerce juste après la catastrophe de Fukushima en 2011, je n’aurais jamais imaginé quel impact il finirait par avoir sur ma façon de voir le monde.… Continue reading

カリフォルニアの巨大山火事とフクシマ放射能

親愛なる日本の皆様

暑い中ですが、お変わりなくお過ごしでしょうか。

日本政府は昨年、「東京電力福島第一原子力発電所で損傷した三つの原子炉の中に残された核燃料などを取り去るために、最低でもあと40年は必要である」と発表しました。この発表を受けて、私は、40年を経た後の世界へと自分の視野を移し、焦点を絞ることにしました。海洋生物への危険性はどうなるのか。北アメリカ大陸に住む人々の潜在的なリスクはどうなるのか。40年もの間、風に吹かれ、あるいは海流に乗って、フクシマから放射性物質が流出し続ける、その結果はどうなるのか。それを私は考えるようになったのです。

日本には、噴火について科学的に調べている学者がいます。また日本には地震学者が何人もいます。こうした人々に「富士山の噴火が起こる可能性」や「東京で巨大地震が発生する可能性」について、聞いてみてください。そうしたらきっと「それは、この40年以内に、ほとんど間違いなく、それは起こることでしょう」という答えが返ってきます。そうなのです。実際のところ、人間と環境と経済に対する甚大な打撃を引き起こす天災が、ほぼ間違いなく起こるのだ、と分かったとしても、人々はそれを無視してしまうのです。それは遥か未来のことに思えて、考慮に入れることがとても難しくなるからです。実際、そこで向き合うのは「たった40年」先の問題ですが、それでも、それを考えることは難しい。それなのに、放射能被害を巡って、私たちは更に「数千年」先のことまでも考えなければなりません。どうしたら私たちは、遥か長期に及ぶこれらの事柄を、私たち人間の一生涯という短い時間軸に結び付けて考えることができるのでしょうか。

ここに私は、謹んで一編の文書をご紹介いたします。グレッグ・リーン氏がお書きになった「カルフォルニア州巨大山火事とフクシマ放射能」という文書です。リーン氏はカリフォルニア州でタホ湖(カリフォルニア州とネバダ州を隔てる湖)の環境問題と土地利用に関する法律事務を職業としている方です。

私は今後、世界中の知見・領域横断的な専門知を集め、40年間蓄積されるフクシマ由来の放射性物質が一体何をもたらすのか、皆さんにお知らせしたいと思っています。その作業を通して、私はまた、将来世代に圧しかかる負荷を減らすために、いったい私たちに何ができるのか、知りたいと願っているのです。

皆様のご理解とご協力を賜れば幸甚の至りに存じます。

松村昭雄

 

 

カリフォルニアの巨大山火事とフクシマ放射能

――私のパーソナルストーリー――

 

法律家 グレッグ・リーン 著

神学博士 川上直哉 ・ 佐藤江美 訳

2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故の直後、私は放射能計測機を購入した。それはどこでも買えるようなタイプの計測器だった。その小さな機械が、後に巨大なインパクトを与えるものとなる。購入したとき、まさかそんなことになるとは、想像することもできなかった。実際、私はこの計測器によって、目の前に広がっている世界が全く違ってみるようになってしまったのだ。

計測器を購入して以来、私は定期的にカリフォルニアのシエラネヴァダ山中にある我が家の周辺の放射能を測るようになった。特に変わったこともなかった。私の計測は毎分30から50カウントを示していた。完全に安全だった。いや、確かにその時は、そう思ったのだった。

 この春、すべてが全く変わってしまった。「空気清浄機やエアコンのエアーフィルターを調べると、ホットパーテイクル(放射性微粒子)が見つかることがある」という事を、この春私は、ふと思い出したのだ。我が家に2台あるエアクリーナーには、HEPAフィルター(0.3マイクロメートルまでの微粒子をほぼすべて捕集するエアフィルター)が付いていた。私は計測器を取り出し、それを片方のHEPAフィルターの前に置いてみた。計測器はすぐに電離放射線を感知し、そのたびに計測器の赤いライトが点滅し、カチッカチッと音を立てた。何かおかしいに違いない。そう思い、しばらくしてからもう一度試したが、同じ結果だった。それで今度はもう一方のエアークリーナーで試した。するとなんと、更に高い数値が出た。実に、毎分800カウントを超える数値(通常の10倍以上)だったのだ。

その時、私はすでに松村昭雄氏と一緒に仕事をしており、彼から核・放射能の専門家を紹介されていた。それで、私はその専門家に相談をすることができた。この不安な計測結果は、いったいどんな原因によるのだろうか。E-mailを用いて専門家の知見を得ることができたことは、大変幸運なことだった。相談を受けてくれた専門家は全員「この数値は高い」という意見で一致した。その原因は何か。主に考えられるのはラドンガスだという。ラドンガスはこの辺ではよく見られるもので、時には健康を害することもある。私は急いで試験キットを入手し、室内の空気と井戸水を調べてみた。結果は1週間で得られた。どこからも、ラドンガスは検出されなかった。家族の健康に悪影響が出ることを案じ、私は考えつく全てについて検討し、放射線源が何であるか突き止めるための調査を進めた。床材、キッチンのカウンター、その他の幾つかのものの放射線量が、自然放射線レベルより高いことが分かった。それでも私は、「総じてみれば、毎分約30カウント程度に収まるだろう」と、たかをくくって考えていた。

それから約1週間程してからのことだ。私は一つのことを思い出した。「チュエルノブイリ事故の数年後、事故現場付近の住民は、薪を燃やして家を温める、その一連の過程を通して、環境中に放射性物質を拡散してしまった」と何かで読んだことを思い出したのだ。私も2つ薪ストーブを持っていた。一つはリビングにある大きなもので、もう一つは主寝室に置いてある。灰に含まれる微細な放射性物質が私の計測器を汚染するかもしれないことを考慮し、紙タオルを何枚か用意して、寝室のストーブの下の灰の上にそれを重ねた上に計測器を置き、私はそのスイッチを入れた。すぐにそれは周りのレベルよりはるかに高いレベルを示した。リビングも同様だった。隣の家も同様だった。原因は明らかに薪だった。薪のほとんどは私の土地で作られたものだ。隣人たちのほとんども薪で暖をとっている。他の暖房器具を持っている人も、予備の熱源として薪ストーブを持っている。薪の煙は、極端に小さな微粒子からなっている。それは体に呼吸により簡単に取り込まれ、吸収される――このことは、私にとっては周知の事実だった。

この発見は甚大な意味を持っているように思われた。我々が呼吸している空気中に放射性物質があった、ということだ。それも、明らかに大量にあった、ということである。これらの超微粒子は長年私の家の周辺の木材の中へと生態系を通じて蓄積されていた。そしてそれが燃やされて、再び拡散した――このことは看過しえない事実と思われた。

私は直ぐに室内の空気を定期的に観察し始めた。できる限りHEPAフィルターを計測した。家にいるときには1時間ごとに計測を実施した。室内で薪の煙が無い時、室内の数値はとても低かった。私は一つのエアークリーナーを外に置いたままにし、もう一つを室内に置いた。私は公的に認められた最新の調査方法に則って計測をし、放射能計測機が表示する結果をスマートフォンを用いて写真に収め、実験記録をとり始めた。すぐに分かったことは「室内と室外では計測にそれ程差がない」ということだった。

この時点では、これがこる地域に限定された問題なのか、それとも、もっと広範囲における問題なのか、分からなかった。そうこうしているうちに山火事が起こる季節が近づいた。私は室内外で続けていた2つの計測を止め、計測を室外に絞り、注意深く観察して記録し、あるいは煙や雲がある日は空の写真も撮ることにした。長年の経験から、もう数か月のうちに山火事が起こることは解っていたので、山火事の煙が屋外でどんな結果をもたらすのか知りたいと思ったからだ。もしかしたら、私が室内で見つけた強い放射性物質と同じようなものが、あるいは山火事によって屋外でも見つけられるのかもしれない。私は準備を整えて来るべき日を待った。

今年のカリフォルニアの山火事は、実に大規模なものとなった。しかし私は、そうなることをはっきりと予想していた。私達は火事の起きやすいところに住んでいる。だから、山火事への対策はいつも真剣に検討している。2014年の山火事の時、炎が強い風に乗って広がり、わが家から半マイルの所まで到達し、私たちは避難を余儀なくされた。空中補給機が空中に一列に並び、まるで艦隊の一斉放射のように水と燃焼抑制剤を空から打ち込む、という大掛かりな措置によって、その時の私たちは何とか助かった、というのが2014年の山火事だったのだ。私たちはその様子を忘れることができない。私の養子は、そのこともあって、消防士になった。彼は炎と戦い、怪我をしては治療をし、医師からの許可を得ては、また火事の現場に戻る。そういう生活をしている。

今季の山火事もまた、同様に恐ろしい規模のもとなっている。家々は破壊され、命を落とす人々も出ている。私はとにかく、これまで蓄積した記録や写真、計測結果のデータがこの山火事によって失うことを恐れた。つい数日前、炎と煙の勢いが過去最大規模のものとなった。その時、放射能の計測値もまた高いものとなった――その数値は決して低いものではなかった。7月31日朝、放射線量は毎分1,333カウントとなり、過去最高の数値を記録したのだ。その際、私は数回にわたり計測を行ったのだが、その平均は毎分1,000カウント以上となった。今回の山火事は過去最大規模のものとなっている。おそらく、煙のはヨセミテ国立公園から湧き上がっていると思われる。その場所は、私の家から100マイル以上離れているはずだ。この煙の中で放射性物質がどんどん高濃度なものとなり、いよいよ高い放射線の計測結果を生み出しているのだろう。

カリフォルニア州の人口は4,000万人にも迫る。その圧倒的大部分の人々が、高濃度の放射性微粒子によって、知らぬ間に被ばくしているのだろうか。これらの微粒子の成分は何であろうか。その有害性は?・・・最近、カリフォルニアワインにフクシマからの放射能セシウム137が少量含まれていたという報告があり、そのことは広く知られるところとなった。フクシマ由来のセシウム137が、この土地の植物に取り込まれているのではないか――この疑いは、もはや大きなものとなっている。もしそうだった場合、そのセシウム137は、今次の山火事によって再び拡散して行くことになる。

今私たちは、この件について真剣な研究がなされるよう、強く求めなければならない。私にはこの分野における経験も学術的訓練もない。きっと何か、私たちのまだ知らない新しい説明が、納得いくものとして、存在しているのではないか。私が記録したものを見ていると、そこには微妙な色合いやばらつきがあり、そこには更に、この日までに辿った複雑な経緯がきっと反映しているのだろうと思われてくる。ともかく、私に解っていることが一つある。それは、私たちが吸い込んできた空気が、放射性微粒子で汚染されたものであったということだ。という事はつまり、その放射能がいつの間にか我々の周囲の作物に濃縮されているかもしれない、ということになる。それはまたつまり、その放射能が我々の食べ物や飲み物の中に入り込んでいるかもしれない、ということになるのだろう。

もし、私のこの推量が正しいとすると、それはつまり、私達が聞いてきた状態より、事態ははるかに悪い、ということになる。これはもう、地球規模の問題となる。そこかしこに、外来の不自然な微粒子がある。それは核時代の夜明けまで、この惑星に存在もしなかったものだ。そんなものが今、大気の中に、海の中に、そして一つひとつの生命体の中に、居場所を見つけてしまった。

カリフォルニア火事を見ながら、私は今、一つの願いを強めている。何とかして、人々がそれぞれの内なる自己満足を焼き尽くすことができないものだろうか。あるいは、一時一時の全てを用いて、我々の内なる情熱(パッション)に再び火を灯し、その熱をもって命そのものを守ることができないだろうか。たとえば松村昭雄氏は、何年もの間、彼の能力を使って、無私の奉仕を続けてこられた。国際的リーダーを一堂に集め人類共通の重要な目標に向かって結束させようと、氏は努力を続けてこられたのだ。そのような情熱を燃やすことが、私たちにできないだろうか。いや、我々はそれぞれの能力に応じた何かが出来るはずである。しかしそれにしても、与えられた時間は短い。そしてこの問題は、生涯にわたる時間を要する。そして、この問題にかかわる中で、私たちの内の何人かは、その為に命を短くしてしまうかもしれない。私たちが向き合っている問題は、そういう類のものなのだ。

 

グレッグ・リーンはカリフォルニアのタホ湖で、環境と土地使用に関する法律事務に従事している。彼は元検事で、1980年にタホ湖に来る以前は、土地利用問題を専門とする弁護士として国の仕事を引き受けていた。クリントン大統領とアルゴア副大統領がホストを務める「第一回 環境に関する大統領サッミット」が開催された際、彼はそこに参加し、そのサミットについて、公共ラジオ放送を含む様々なメデイアに出演し、数年にわたってその紹介をしてきた。また彼はシエラネバダの資源を巡る係争に関わり、頻繁に調整役を担ってきた。また彼は、妻ヘイディと共に子どもたちを育ててきたよき家庭人でもある。「一番下の子も18歳になりました。その子は電子工学に魅了されていまして、アマチュアラジオや音楽の趣味があって、メーターや機械部品の収集に夢中です。その子によると、収集したものの幾つかは実際に使えるのだそうです。まあ、その子の言い分では、という事なんですが・・・」とのことである。

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7年後のフクシマ――終わらない課題

親愛なるみなさま

今日は3月11日です。私たちはフクシマ核事故の7年を覚え振り返る日を迎えています。

三つの破損した格納容器から炉心を次取り去るために、これから先、最短でも40年の年月がかかると、日本政府が認めています。このフクシマの核危機は、人類と環境に影響を与え、その安全を脅かすことでしょう。これから続く長い年月について、私たちは憂慮を覚えています。放射能を帯びた風と汚染された水が北アメリカに到着し続ける状況は、これから50年は続くだろうと専門家は心配しています。

中東と中国ではこれから更に原発を作ろうとしています。それが気候変動への対応として中心的な役割を担うと、多くの人々が信じているのです。しかし考えなければなりません。原子力が推進される中で、どれほどのリスクを私たちは生み出してゆくのでしょうか。

核の災害は自然災害によるものだけではありません。欧州でも、中東でも、どこでも、テロリストによる攻撃やサイバー攻撃が原発施設に加えられるかもしれないのです。例えばフランスには18の原発施設群がありますが、その一つででもそうした事態が起こったら、どうなるのでしょうか。そうなったら、都市であれ農村部であれ、西欧の広大な範囲が、何年も人の住めない場所になることでしょう。

政財界および宗教の指導者、科学者と大学、そしてシエラ・クラブのような環境団体は、それぞれが持つ地球規模の視野をもって、目の前にあるこの特別な問題・福島の問題を、見詰めるべきだと思います。

以上を踏まえて、以下に二つの論文をご紹介します。この二つの論文は核事故の本質を衝いた議論を展開しているものなのです。

松村昭雄

 

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世界の海の三分の一以上を汚染しているフクシマ(そしてさらに悪化する事態)

(『アウェアネス・アクト』誌)

フクシマで起こったメルトダウンという原子力事故――そのような災害が世界に与える影響について、ほとんどの人が理解をしていない。このような災害が起こると、メディアはすべて機能不全となり、すぐに情報は遮断されてしまう。そうしてもはや誰も、そのことについて再び考えることができなくなってしまう。

しかし、事実は事実だ。たとえ誰もそれについて語る人がいなくなったとしても、それで問題が過ぎ去ったわけではない。まったくその反対なのだ。フクシマの災害は今まさに世界に臨んでいる。実に地球の三分の一がフクシマの核災害から漏れ出たものによって汚染されていると考えられているのだ。

損傷した炉心から放出された放射性物質の80%以上が、最終的には太平洋にたどり着く。それの量はチェルノブイリやスリーマイル島の事故とは比べ物にならないものとなる。その中のほんの少量だけが海底に沈み、残りは黒潮に乗って漂流する。そして北太平洋にある莫大な量の海水と混ざりあい、海へと広がってゆくことになる。

これらの放射性物質は、二種類のセシウムを中心として確認されている。それは今のところ、東大西洋でだけ見つかり始めている。例えば2015年に、ブリティッシュ・コロンビアとカルフォルニアの近くの海岸線で、私たちはフクシマ由来の放射能汚染の兆候を発見した。確かにその量は少なかった。しかしその量の寡少をもって放射性物質の危険を過小評価することはできない。すべて微量の集積が被ばくの累積へとつながっていくのだ。

私たちは何をすべきなのだろうか。まず、「フクシマはアンダーコントロールだ」ということは間違いである。海洋中の放射性物質を見る限り、汚染水の漏洩は続いているのだから。福島第一原発から出る汚染水によって、陸地に設置された1000器以上のタンクはいっぱいになりかけている。毎日300トンもの水がくみ上げられ、壊滅した格納容器を冷却するために使われている。

この発電所を管理する責任は東京電力株式会社(TEPCO)にある。TEPCOはろ過装置を開発し、非常に危険な放射性同位体であるストロンチウムとセシウムを除去している。しかしなお、タンクの中の水にはトリチウムが残り、二つの中性子を伴った水素の放射性同位体が残されている。トリチウムは核反応に伴って生じる副産物の主なもので、それを水から取り除くことは技術的にも経済的にとても困難なものである。

現在、日本の原子力規制委員会は、80万トンの汚染水を太平洋に放出したいと言い、それは安全で合理的なことなのだと言って、疑いの目を持ち続けている世界を説得しようとキャンペーンを張り始めている。

私はここで断言しておきたい。これ以上の汚染水の放出について、IAEAとTEPCOは環境への影響を考慮する必要がある。生物全体がその影響を蒙り、その地域一帯が長期間影響を蒙り、そして結局、地球上規模の人間の暮らしに影響が出る。そのことを充分考慮する必要がある、ということを、私は強調したいと思う。

https://youtu.be/cCB_U5hLBoc

https://youtu.be/1jEy2wiV0aM

 

7年間という時間:フクシマの被ばく水夫たちは法廷に日常を探す

『ネイション』誌(グレッグ・レヴァイン)

全長300メートル超・重さ10万トン超の空母ロナルド・レーガンは、米国第七艦隊の超大型空母であって、いわゆる高速艇のようには動けない。しかし2011年3月のある日、ロナルド・レーガンをはじめとした「ミニッツ級」の艦隊は「尻を叩かれたように」して出動したと、三等級下士官のインゼイ・クーパーは語った。

しかしその後、空母ロナルド・レーガンは、まだその目標に到達していないのに、仙台湾のすぐそばまで来たところで、きわめて低速での航行を始めた。

「海を見ることなんか、だれにもできなかった」とクーパーは私に言った。「そこに見えたのは木と木材と船だった。そこにあまりに大量のがれきがあったものだから、艦は動きを止めざるを得なかったのさ。」

20年以上の軍隊経験を持つ上級下士官アンゲル・トレスは私にこう言った「あんな光景は見たことがない。」トレスは41歳。空母レーガンの航路を採っていた。その周囲は家、トラック、その他浮遊物で埋め尽くされ、それはまるで「障害物競走のようだった」という。一つ航路を採り間違えれば、「一発で艦が引き裂かれかねない」という状況だった。

空母レーガンと、その周辺にいた20隻以上の米海軍艦隊は「トモダチ作戦」に従事していた。それは東北の地震と津波の直後に始められた、9千万ドルの規模で展開した被災地救援作戦であり、人道的動員であった。水夫たちの目に、その破壊の状況はまさに恐怖そのものとして映った。むしり取られたような肉体が水に浮かんで見えた。衣服を着たままの生存者がほとんど凍りかけた水の中に眠ったようにしていた。残骸の列が延々と続き、それは終わりないもののように見えた。――その現場に向き合い、最初は、すべて訓練通りに救助活動が展開し始めた。

「通常の警戒態勢を取りました」とクーパーは言った。「訓練された通りに動きました。そういう体制に入ったということです。」

隊員たちはしかし、すぐに軌道修正をかけられることになる。

「本当に突然のことでした。こんなに大きな雲が私たちを襲ってきたのです」と、トレスは私に語った。「それは白煙ではなかったのです。一見すると蒸気漏れなのかと思うかもしれませんが。」彼はそう説明した。それは石油が燃えるときの黒煙でもなかった。彼は1991年に従軍した際、クウェートでそうした黒煙を見ていたのだ。「こんな煙は、本当に、私の見たことのないものでした。」

クーパーはその時、隊の仲間から離れてフライトデッキに立っていた。次の離陸のための点検をしようとしていたのだ。彼女はその時のことを、寒くて雪が降ってきたと記憶している。そう彼女が感じた時、どこからともなく暖かい空気の塊が吹き込んできたことを感じた。「ほとんどその直後なのです」と彼女は私に語った。「あ、鼻血が出たかな、と私は感じたのでした。」

しかし鼻血は出ていなかった。口の中にも血は出ていなかった。それでも、クーパーは確かに血の味を感じていた。「それはなんだか、アルミフォイルをかじったような感じだったのです。」と彼女は私に語った。

現地時間2011年3月11日14時46分、マグニチュード9.1の地震が発生し、65キロ離れた東日本にある牡鹿半島を襲った。20世紀以来4番目に大きな振動が本州に壊滅的な破壊をもたらした。福島第一原子力発電所は震源に近い太平洋岸に位置していた。地震によってその冷却システムは損傷し、全電力が消滅した。電力は稼働中の炉心と高レベルの放射脳を帯びた使用済み核燃料を冷却するための水の」循環に必要なものだった。

福島第一原子力発電所には、緊急時に備えて、非常用のディーゼル発電機が何台も準備してあった。しかし自身発生から一時間もしないうちに、地震によって引き起こされた津波の高さは13メートルを超え、防潮堤を破壊し、発電機を含むほとんどの機械類を水浸しにしてしまった。水に浸かってしまった発電機のいくつかは地表よりも低い位置に設置されていた。その設置はジェネラル・エレクトリック社のプラント設計者によって定められたものであった。

冷却装置を失うと、炉心の温度は上昇を始める。溜まってしまった水は沸騰し始め、ジルコニウムに覆われたウラン燃料棒が大気に触れるようになり、超高温の科学反応が水の元素を分断する。福島第一原子力発電所の所有者は東京電力株式会社(TEPCO)である。その数百人に及ぶ職員は勇敢にも冷却水の循環を取り戻そうと奮闘した。あるいは、その時すでに汚染された幾つもの格納容器は圧力が高まっていたので、最低でもその減圧を試みていた。しかし、すでに半世紀を経てしまった古い原発である。そこには既に死が埋め込まれていた。それはもう何十年もの間予想され続けた通りの結果でもあった。圧力は建物内で高まり続けた。二日の間、汚染された建物の爆発の時が迫っていった。三つの原子炉建屋で水素爆発が起こり、高放射性ガスの柱が立ち上り、高放射性デブリが空気中に高く舞い上がった。その汚染デブリは拡散し、日本は今もなおその除去に努めている。

しかしなお、この破壊と騒乱はにもかかわらず、原始力政策の推進者たちは、フクシマをしてサクセスストーリーに見せかけようとしている。「結局、これだけの自然災害に遭遇したのにも関わらず」と、原子力の信奉者は言うのだ。「誰も死んでいないではないか」と。

しかし第七艦隊の乗組員たちは、この言葉を拒否するだろう。その救助活動から7年が経った。9人が死んだ、それも福島第一原子力発電所で起こった災害によって、9人が死んだ。その任は全員アメリカ人だった――そう、この乗組員たちはあなたに語っているのだ。

この続きは、2018年3月に発表します。

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Paracelse, ère nucléaire et générations futures

Emilie Gaillard et Andreas Nidecker

Le célèbre médecin Andreas Paracelse, qui enseigna à l’Université de Bâle au début du 16è siècle, écrivait : « Quel sens ou quel intérêt cela pourrait-il avoir pour un médecin de découvrir la cause des maladies s’il n’est pas à même de les guérir ou d’en soulager les effets ? »

Juriste et radiologue, nous voudrions vous parler d’un colloque de trois jours qui s’est tenu récemment à l’Université de Bâle. Ce colloque intitulé « Droits humains, générations futures et crimes à l’ère nucléaire » qui rassemblait des médecins, des juristes, des scientifiques et des experts nucléaires, était organisé par la branche suisse de l’IPPNW (Association internationale de médecins pour la prévention de la guerre nucléaire) et l’IALANA (Association internationale des juristes contre les armes nucléaires).

Durant notre colloque, nous avons examiné les effets sur la santé et l’environnement des politiques relatives aux armes nucléaires. Nous avons ainsi considéré la question des droits humains pour les victimes des tests et des accidents nucléaires. La victoire récente de 122 nations qui le 7 juillet [2017] ont accepté le Traité d’interdiction des armes nucléaires des Nations Unies, oblige dans son Article 6 les nations à mettre en place remédiation environnementale et assistance aux victimes, du moins aux victimes de l’usage et des essais d’armes nucléaires.

La plupart des discussions ont été toutefois consacrées aux conséquences des armes nucléaires et de l’usage civil de l’énergie nucléaire sur les générations futures. Ce sont ces générations, nos enfants, petits-enfants et leurs descendants, qui devront continuer à supporter les risques de guerre nucléaire et les effets sanitaires potentiels d’une contamination nucléaire incessante, omniprésente et ne pouvant qu’empirer.… Continue reading

パラケルススと核の時代と将来世代

エミリー・ゲイラード

アンドレアス・ニデッカー

(翻訳:神学博士 川上直哉)

16世紀初頭のバーゼル大学で教鞭をとっていた有名な医師パラケルススは次のように書き残しました。「ただ単に病気の原因が分かっただけで、その治療法も対応策も提示できないとしたら、いったいそれは、医師にとってどんな意味があり、またどんな価値があることだろうか?」

私たちは法と放射線の専門家としての立場から、最近行われたシンポジウムの報告をしたいと思います。そのシンポジウムは学際的なもので、バーゼル大学で三日間持たれたものでした。

 

核兵器に関する政策決定が、どのような影響を健康と環境に与えるのか。これが私たちのシンポジウムで検討されたテーマでした。この観点から私たちは、核実験が行われ原子力災害が引き起こされたとき、その被災者・被害者の人権はどうなってしまうのか、熟考したのです。ここで、122か国の努力による最近の成果として、国連は「核兵器禁止条約」を2017年7月7日に承認しましたが、その第6条にも「核兵器を使用し、あるいは核実験をした国は、その環境汚染の回復と被害者のための支援の措置を講じなければならない」と定められていることを、ここで想起してもよいでしょう。

 

しかし、バーゼルで行われたシンポジウムでの実際の議論のほとんどにおいて、その焦点は別のところに置かれていました。つまり、核兵器と原子力(核エネルギー)の利用が次の世代にどのような影響をもたらすのかを巡って、議論は白熱したのでした。核戦争のリスクを背負わされ、また、地球規模で進行する核の汚染の先に待つ潜在的健康被害に向き合わされるのは誰でしょうか。それは私たちの子どもたち・私たちの孫たちであり、そしてそのまた子孫たちなのです。1945年7月に「トリニティ研究所」において最初の核実験が大気圏内で行われました。その後、2000回を超える核爆発が起こりました。それは9つの国によって引き起こされたのです。その核爆発のうち数百は陸上において行われ、その結果、生態系は汚染されてしまいました。そして、チェルノブイリ原子力発電所の原子炉が爆発した結果、欧州地域に限定的ではあっても広範囲な汚染がもたらされました。更に今、福島の原子炉が損傷し、放射能汚染水が大量に太平洋に流れ出続けています。原子力(核エネルギー)の民生利用については、その廃棄物を安全に保管するための施設を作ることまで考え合わせて考えなければなりません。そうしてみるとすぐに、それは財政上の多くの問題を私たちの子どもたちや孫たちに押し付けることなのだと気づくでしょう。私たちはその過ちに手を染めているということになるのだと思います。

 

意図的であれ偶発的であれ、核兵器が使用された場合には結局、地球規模の悪影響を生じさせることでしょう。それはあるいは、人類の絶滅をもたらすかもしれないのです。「この議論の果てにおいて、政府の責任者足りうる人々、つまり、核保有国の意思決定者たちが、追及されなければならない」という結論に、シンポジウムはたどり着いたのでした。「将来世代に対する犯罪」ということが、新たな現実味を帯びて浮かび上がってきたのです。来るべき日々の地平を永遠に閉ざすものとして、あらゆる核戦争は国際法への重大な違反とされるべきものなのです。

核の時代に入った今、私たちは確かに、地球とあらゆる生命体にとっての「新しい時代」に入りつつあるのでしょう。地球とそこに住むあらゆる生命体に及ぼす人間の影響が、未曽有の大きさを持つようになったのですから。地質学者は、この新時代について、新しい名前を付けました。その新しい名前は「人新世(Anthropocene)」というのだそうです

(訳註:地質学においては、約258万年前から1万年前は「更新世」とされ、一万年前から現代までは「完新世」とされている)。

今迎えつつあるこの新しい時代において、私たちは、医療と法における倫理規範を新らたに求めなければならない、と、多くの人が確信しています。核=原子力によるリスクと災害という特別な問題に、私たちは今、直面しています。そうである以上、医学と法学の両分野においてパラダイムシフトが求められているのです。我々は今や、あらゆる生命体に世代を超えて及ぼされる電離化された放射能の影響を真剣に考えなければなりません。そして、現在生きている人々、とりわけ女性たちと子どもたちへの深刻な健康被害を防ぐための効果的な措置が、どうしても取られなければならないのです。がんをはじめとする健康被害があります。そしてそれに加えて、今被ばくをしている人々の中で起こる遺伝子への影響も考慮しなければなりません。そうして私たちは、自分たちの子孫を守らなければならないのです。ごく低線量の電離放射線被ばくを長期間続けた場合、いったい何が起こるのかについて、私たちは特別に意識を向けて考えなければならないのです。

私たちは今、この新しい現実に対応する基本的な原則を示す新たな法的枠組を共有しなければなりません。そして将来世代の人権を考慮に入れそれを保護するような新しい法律を作らなければならないのです。国際連合総会において1948年に採択された世界人権宣言は、法的拘束力を持つものではないのですが、三十条にわたる個別の権利を提示しています。その内のいくつかは核(原子力)事故の被害者と密接に関係しているものです。例えば福島県の住居を追われた人々は、自分たちの意見を表明する権利や情報を取得する権利を持つのと同様に、適切な住環境を確保する権利を持っている、と、世界人権宣言は明言しているのです。実は、日本国憲法がその権利を確定しています。そして同じその日本国憲法の11条と97条は、将来世代の人権を守ることを規定しているのです。しかし現状、これらの権利は尊重されていません。事実、日本においてマスメディアは福島で今何が起こっているかを報道することを禁じられており、また、原子炉溶融の影響が医学的にどうであるかを報道することを制限されています。日本における科学者のほとんどは、一部の例外を除くと、放射能のリスクを過小評価しているのです。それで「少々の被ばくは蓄積しても害はない」という考え方が公式なものとして広く流布しています。もちろんその考え方は科学的に支持されるものではありません。さらに、それだけではないのです。日本政府は一般人の放射線被ばく許容量を年間1ミリSvから20ミリSvに引き上げようとしています。この「年間20ミリSv」というのは、原子力関係の一般労働者にのみ認められている基準なのに、です。日本政府に関係している科学者たちは、国際放射線防護機関(ICRP)に対して、この水増しした基準を受け入れるようにと働きかけようとしています。そして大方の見方は、このことを単に非科学的であるというだけではなく恥知らずで法外であるとしているのです。こうしてフクシマは今、「原子力の破局の事後処理において何が起こり得るか」を示すものとなりました。つまり原子力の破局に瀕するとき、「人権への破壊行為と、さらには将来世代への犯罪が原子力事故の後に立ち現れ得るのだ」ということを、フクシマは世界に示しているのです。

将来世代の人権について言及し、声を上げなければなりません。それは現在、充分とは言えないのです。将来世代の人権を確実に保護するための立法措置が新たに取られなければなりません。この数年のうちに核兵器の全廃に向けた具体的な工程表を策定することが、今新たに、そして喫緊のこととして、必要とされているのです。さらに言えば、原子炉の廃炉の膨大な費用と、そして核廃棄物の安全な保管のための莫大な投資について、私たちの世代は責任を負わなければなりません。少なくともそのコストは我々が負担すべきです。それを私たちの子どもたちだけに背負わすことは、してはならないことだと思います。

 

 

エミリー・ガイラードはカーン・ノルマンディ大学(フランス)の法学准教授であり研究員。また、Pôle Risques, Qualité et Environnement Durable at Maison de la recherché et des Sciences de l’Hommeの会員である。

アンドレアス・ニデッカーはスイスの医学博士。バーゼル大学名誉教授で放射線を専門とする。PSR / IPPNWの全代表であり、現理事。「シンポジウム 人権と将来世代、そして核時代の犯罪」の準備委員会委員。

核戦争防止国際医師会議(IPPNW)は、1985年にノーベル平和賞を受賞した団体。地球規模での核兵器廃絶運動において指導的役割を果たし続け、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)を2007年に発足させ、大量破壊兵器廃絶のキャンペーンを展開した。核兵器禁止条約を2017年7月に国連が採択したが、その際の功績を認められ、ICANは2017年のノーベル平和賞を受賞した。… Continue reading

流出する毒物:アメリカの問題としてのフクシマ

2017年12月12日 松村昭雄

(翻訳 神学博士 川上直哉)

福島アップデート

2016年12月、日本国政府は、「福島第一原子力発電所の事故処理にかかる費用は21兆5千億円と想定される」と発表した。これは、それまで発表されていた想定のほぼ2倍であった。東京電力株市会社(東電)の立て直しを求める声は日増しに高まっている。加えて、それほど楽観的ではない人々は、この政府発表の想定のさらに1.5倍から2倍以上の費用が事故処理にかかるだろう、と見積もっている。

345億円の税金を投じて「凍土壁」が建設され、地下水が福島第一原子力発煙所の敷地内に入り込む問題への対処がなされている。しかし、この措置に寄せられた期待と予想は裏切られたようだ。この凍土壁がダムとなって、山の方から原子炉建屋へと流入する地下水をせき止めるはずだ、という理屈で、この措置は取られていたのだった。

2017年10月、地下水の水位は急激に上昇した。この時の建屋の基礎部分に入り込む量は一日当たり310トンに達したと見積もられている。この数値は、汚染水対策のための措置が何も講じられなかった頃の水量である400トンに迫るものだった。

「要となるはずの『凍土壁』、期待外れ」2017年11月26日付朝日新聞英字版

 

2017年11月末、東電の責任者は、原発の状態について、次のように発表しました。

「当社は次の四つの問題に取り組んでいます。(1)原発敷地内の放射能の減衰化、(2)地下水流出の阻止、(3)使用済み核燃料の回収、(4)融解した核燃料の除去、です。」

三重のメルトダウンを引き起こしてから7年が経過したというのに、東電は原発建屋の中で何が進行中であるかすら知らないでいる。いや、誰もそのことについては知らない、というよりも、そもそも、それを誰も知り得ないのだ。まさにそのことこそ、原子力のメルトダウンがもたらす主なリスクの一つなのである。誰も、どうしてよいかわからないのだ。

 

フクシマからサンフランシスコへ

はっきりわかっていることがあります。原発事故現場から汚染水は流出し続けている、ということです。フクシマの問題は太平洋へと広がっているのです。海洋生物がリスクにさらされている可能性は高く、北アメリカ大陸の西海岸では、子どもも大人も被害を受けているかもしれないのです(ひとつ前の私の論稿を参照いただきたい)。

マノア(オアフ島ホノルル東部太平洋側)にあるハワイ大学は、今年、一つのレポートを発表しました。タイトルは「フクシマの結果:北太平洋で捕獲された魚の一部にみられる放射性セシウムの一覧」です。

ハワイ大学は、北太平洋に生息し、特にハワイでよく見られる13種類の魚を採取し、ガンマ分光学分析を用いてセシウム134と137という放射性同位体を計測し、それがフクシマと関係があるものかどうかを検討した。すべてのサンプルの中から、セシウム137が研修された。この計測の信頼度は95パーセントを超えるものだった。全サンプルのうち3魚種からセシウム134を検出した。それは95パーセント以上の確率でフクシマ由来のものであった。最も高い数値はキハダマグロから検出された。その数値は、セシウム134で0.10±0.04Bq/kgであり、セシウム137で0.62±0.05 Bq/kgであった。他のサンプルについて言えば、ビンチョウマグロとメカジキから検出されたセシウム134は、2シグマ以上の不確実性の範囲(95.45パーセントの確率)でフクシマ由来であることが確認された。

5つのサンプルから、フクシマ由来のセシウム134が危険基準をこえて確認された。その確度は68パーセント(検査の不確実性は1シグマ)であった。ただし、その5つのサンプルの中の3つは、2シグマ以上の不確実性の範囲(95.45パーセントの確率)であった。

この研究が示していることは次のとおりである。ハワイ島で検査しあるいは計測した魚の40パーセント程度は、ほぼ被ばくしている。そして、その被ばくは北太平洋を還流する気流に乗った放射性セシウムによるもので、それはおそらくフクシマ事故由来のものである。フクシマ事故由来の放射性セシウムはハワイの土壌にも落下している。

この研究は、放射能に触れた魚がいること、そしてその魚がまだその被ばく影響を示してはいないことを示しています。これはフクシマ事故以来6年間の累積結果を示したものに過ぎません。そうだとすれば、どうなるのでしょうか。東電から聞こえてくる情報によると、フクシマ事故由来の汚染水は今後80年にわたり垂れ流され続けるというのです。私たちはそこに事態の悪化を想定せざるを得ません。今すぐ、私たちは、取りうるすべての手段を動員して、あらゆることに備えなければならない。それは来るべき数十年後の私たちの子孫に必ず押し付けられるだろう重荷を少しでも減らすために、です。実に、この「数十年後」というのは、ほとんどの読者各位にとっては「別世界」の事柄となることでしょう

 

沈黙の代表者

汚染は恒久的に広がり続けています。そして多くのことがわからないままなのです。それなのに、米国西海岸の政治家は未だに沈黙を守っている。どうして声が上がってこないのでしょうか。この問いに向き合って、私は、四つの理由を考えてみました。

  1. 食品と水の汚染は、ビジネスに悪影響をもたらす。釣りをする人々、農業従事者あるいは旅行業者などは、自分の予算について気にするようには、未知の事柄について気にしたいと思わない。これが第一の理由かもしれません。
  2. 軍産複合体は、核・原子力技術と防衛・安全保障とがつながっているものと考えている。これが第二の理由かもしれません。
  3. 環境運動家や気候変動にかかわる市民活動家は、炭素を排出しないエネルギー源として、原子力・核エネルギーに注目している。これが第三の理由かもしれません。
  4. この程度の放射能であれば、人間にも、魚の食物連鎖にも、そして農作物にも、一切害はないのだとする科学者が、ある程度の人数、存在している。それはフクシマ事故から7年がたった今の現実である。また、政府と原子力・核エネルギー産業の利益を大きな声で意図的に代弁する科学者もまた、ある程度いる。これが第四の理由かもしれません。

こうした利害関係者たちは、まず目先の短期的な事柄にしか興味を示しません。つまり、大海原が「覆水盆に返らず」という事態になったらどうするのか、という長期的な関心を、こうした利害関係者たちは、持ち合わせていないのです。

どこまで、この汚染は広がっていくのでしょう。この問いへの答えは、実に、5世代先になってみないと、十分には得られない。この問題は、そういう問題なのです。

議員、知事、そして市長たちもまた、この問題がどうなるのか、可能な限り様子見をしようとしています。せいぜいこの人たちの任期は、一期8年で二期、といったところです。有権者も、これから数十年の単位で懸念される潜在的な影響については、関心を持ちたいと思っていない。したがって、政治家がこの問題に取り組む動機づけなど、ないといっていいのです。私はもう40年もの間、多くの国々で、政治家をすぐそばに見ながら仕事をしてきました。とりわけ、人間にかかわる事柄――戦争・平和・環境――を課題として、私は政治家たちと議論を重ねてきました。その中で、私はいつも、感心することがありました。政治家は確かに、人々の思いを理解する能力を豊かに有している。そのことに私は常々感嘆してきたのです。政治家というものは、人々が短期的な視野で見える限りの解決を求めているということを、投票を通じて、実によく理解しています。

 

深いリーダーシップ:カリフォルニアが示しつつある解決

フクシマ事故の問題と、そこから継続している太平洋汚染の問題は、永遠の価値についての問いを提起しています。確かに、この問題は経済成長と健康の問題を含んではいるのです。しかしそれとともに、もっとはるかに深遠な問いへと、この問題はつながっています。その問いとは「私たちの地球に責任を負っていくのは、いったい誰だ?」というものなのです。

 この夏、私はカリフォルニア州北部のサクラメント市を訪れました。ブラウン知事を訪ねるためでした。知事と私は、もう数十年来の付き合いなのです。ブラウンという人は特異なタイプの政治家だと、常々私はそう考えてきました。「これから数万年先の命と人生に影響するだろう問題を、いったい誰と話し合ったらよいだろう」と考えていた私にとって、その対話の相手は彼しかいませんでした。私たちは話し合い、そして一つの結論に達しました。この巨大な環境問題を見つめるためには、新しいビジョンが必要だ。これが、私たちの結論だったのです。

「国際立法会議(International Lawmakers Conference =ILC)」を、私は想像しています。その目的は(1)選挙で選ばれた政治家の中に新しいタイプのリーダーシップを涵養し、(2)随時、医療分野への投資のあるべき姿を決定し、(3)すでに生み出してしまった25万トンの放射性廃棄物を安全に保管するための地球規模の機構を作り上げること、です。

短期的に言っても、太平洋に流れ込み続けている汚染水に関する注意喚起を、国際立法会議(ILC)が担うべきです。更なる科学的研究を促進させ、複数の政治家の注意を惹きつけ、また、複数の組織・機関の基金を呼び寄せる。やがては、そうしたことを通じて、私たちのリーダーの内面に、より大きな価値への感性がしみこんでいく。それがこの国際立法会議(ILC)です。その構成には、米国連邦政府と各州の立法機関・知事・市長が含まれ、またそれに加えて、宗教指導者と財界のトップリーダー、そして科学者と国際機関の代表者が加わるべきです。核問題緊急同盟(NEAA)のメンバーは、原子力・核問題の専門的ガイダンスを示す意味で、国際立法会議(ILC)に不可欠の役割を担うことになります。

米国西海岸の議員各位におかれては、私たちの子孫とこの地球のために、この長期的な影響をもたらす深刻な問題について、大いに声をあげていただきたいと、私は強く願っています。

 

一人の英雄の死を悼んで

最後に、一人の故人が示した英雄的な使命とその犠牲についてここに記し、読者各位にはその記憶を呼び覚ましていただきたいと思います。その故人の名は、山田恭暉(やまだ やすてる)です。彼は「福島原発行動隊」の創設者でした。この団体は次のような考えもとに設立されました。まず、放射能由来の癌の芽が発現したとしても、その症状が顕在化してその平均余命が12から15年と推定されるまでに20年ほどの時間がかかる、と予想される。若い人々がその人生をリスクにさらして原発事故現場で働くべきではない。自分たちのグループこそが事柄にあたるべきだ。――これが、山田氏が「福島原発行動隊」を設立した考えだったのです。しかしそう考えた山田氏は、2014年6月17日、食道がんで逝去しました。それは彼の予想よりもはるかに早いタイミングでした。「若い世代の命と人生を守る」という彼の掲げた使命は、彼より若い世代によって記憶されることになりました。その若い世代は、この使命を次の世代へとつないで行くことでしょう。

(山田恭暉氏については、過去の記事あるいはこちらを参照のこと)

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Un flux empoisonné : Fukushima est un problème américain

Mise à jour sur la situation à Fukushima

En décembre 2016, le gouvernement japonais a quasiment doublé ses
prévisions concernant les coûts de la catastrophe nucléaire de Fukushima : cette estimation de 21,5 mille milliards de yen (188 milliards de dollars) accroît encore la pression sur la Tokyo Electric Company (Tepco)pour lui faire accélérer les réformes et améliorer ses résultats. Des observateurs moins optimistes estiment que le coût total du nettoyage atteindra entre 300 et 500 millions de dollars.

Bien que 34,5 milliards de yen (309 millions de dollars) d’argent du contribuable aient déjà été consacrés à la construction d’un « mur de glace » pour empêcher les eaux souterraines de s’infiltrer dans le site de la centrale nucléaire de Fukushima No.1, la barrière gelée n’est peut-être pas à même de répondre aux attentes. En théorie le mur de glace est censé faire barrage à l’eau souterraine provenant du côté montagneux de la centrale, l’empêchant de pénétrer dans les bâtiments réacteurs. Le niveau de l’eau souterraine a rapidement augmenté et on estimait en octobre que le flux journalier dans les soubassements des bâtiments était de 310 tonnes. Ce qui ne fait pas une grande différence avec les 400 tonnes qui s’infiltraient dans les bâtiments avant la mise en place des mesures destinées à résoudre le problème de l’eau contaminée. Voir l’article du 26 novembre de l’Asahi Shimbun : Fukushima “Ice Wall “ Linchpin not living up to high hopes.

Un dirigeant ce chez Tepco décrit ainsi l’état de la centrale à la fin novembre 2017 :
Nous devons faire face à quatre problèmes : (1 réduire le niveau de
radiation sur le site, (2) arrêter l’infiltration de l’eau souterraine, (3)
récupérer les barres de combustible usé et (4) retirer le combustible
nucléaire fondu.… Continue reading

Risque de catastrophe au réacteur 2 de Fukushima Daiichi : quelles conséquences pour le Pacifique et les USA ?

 

À la centrale dévastée de Fukushima 1, Tokyo Electric Power Co. Holdings Inc. révèle que le niveau de radiation dans l’enceinte de confinement du réacteur 2 avait atteint 530 sieverts par heure (Sv/h), le taux le plus élevé qu’on ait mesuré depuis la fusion des trois cœurs en mars 2011.

À ce taux de 530 SV/h, même une courte exposition suffit pour provoquer la mort, ce qui suggère l’ampleur des difficultés à venir, alors que le gouvernement et Tepco avancent à tâtons dans l’entreprise de démantèlement des 3 réacteurs dévastés par la catastrophe de mars 2011.

Selon un responsable de l’Institut National des sciences radiologiques, jamais les professionnels du monde médical n’avaient prévu d’avoir à faire face à un tel niveau de radiation dans le cadre de leur travail.

Tepco a également annoncé que d’après l’analyse des images prises par une caméra télécommandée, il existe un trou de deux mètres dans la plateforme métallique se trouvant sous la cuve dans l’enceinte de confinement du réacteur. Tepco pense aussi qu’une partie de la plateforme est déformée.

-  "Highest radiation reading since 3/11 detected at Fukushima", The Japan Times, 3 février 2017. [Le niveau de radiation le plus élevé depuis le 3/11 relevé à Fukushima] 
Pour Fumiya Tanabe, un expert en sûreté nucléaire qui a analysé l’accident de Three Mile Island survenu en 1979 aux États-Unis, les résultats montrent que les travaux de préparation tout comme le processus de démantèlement lui-même se révèleront très probablement bien plus compliqués que prévu.

- "Radiation Level in Fukushima Reactor could kill within a minute", Asahi Shimbun, 3 février 2017.Le
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福島第一原発二号機が引き起こしかねない大惨事 太平洋と米国への影響や如何?

(翻訳:神学博士 川上直哉)

事故により破損した福島第一原子力発電所の第二号機格納容器内の放射能レベルは最大で530Sv/hにまで達した。これは2011年3月の事故によって三つのメルトダウンが起こって以来最大の数値であると、東京電力会部式会社(TEPCO)は語った。

530Sv/hとは、ごくわずかな時間の被ばくによって人が死亡するレベルである。この放射能の数値は、2011年3月に破損した三つの原子炉すべてを解体する困難の巨大さを示している。原子炉取り出しの方法を見出さなければならない日本政府とTEPCOは、まさに困難な現実を突き付けられた格好だ。

国立研究開発法人 放射線医学総合研究所(放医研)の公式見解によると、放射線を取り扱うどんな医療関係者も、これほどのレベルの放射能を取り扱うことについては、考えることもできないという。

TEPCOはまた、カメラの遠隔操作によって得られた映像を分析したところ、原子炉の第一格納容器の中にある圧力容器の下には、金属製の格子の中に2メートルの穴があった、とも報告した。

「放射能、3.11以来最大に」
2017年2月3日付 ジャパンタイムス


原子力の安全対策を専門とするタナベ フミヤ氏によると、この画像分析によって、廃炉作業の準備とその具体的作業は、当初考えていたよりもさらにずっと難しいものだと分かった、という。なお、タナベ氏は1979年に米国スリーマイル島で起こった原発事故を分析した経験を持っている。 
- "Radiation Level in Fukushima Reactor could kill within a minute", 「福島原発の原子炉内放射能は一分以内に人を殺傷するレベル」
2017年2月3日 朝日新聞英語版

損傷した福島第一原発二号機の格納容器内の放射能レベルは、専門家が信じていたよりも格段に高いものであったことが、今や、明らかとなりました。

二号機の危機を前に、私は一つの恐ろしい記憶をよみがえらせています。それは2011年3月の地震の後に福島第一原発四号機が引き起こしかねなかった大惨事です。四号機は、ヒロシマ型原爆の14000倍に相当する放射能をその内側に蔵していたのでした。

二号機の危険性は今、私たちにいくつもの問いを持って迫っています。

  • 次の大地震が起こる蓋然性はどれくらいなのか?
  • 原子炉建屋の耐震強度はどれくらいなのか?
  • 圧力容器の中にある放射性核物質がどこにあるか、どうやってわかるのか?
  • 二号機建屋が倒壊した場合、適切な避難距離とは何キロなのか?
  • 太平洋の生態系にはどんな損害が加えられているのか?
  • 福島第一原発から大量の強烈な汚染水が太平洋に流れ出ている。その影響を受ける北米西海岸に住む人々、とりわけ子どもたちに、どんな潜在的リスクが生じているのだろうか?

ここに、竹本修三博士(京都大学大学院教授・地球物理学)の協力を得られたことを感謝して記したいと思います。博士は私の疑問への答えを寄せてくださいました。以下、博士の見解を転載します。

松村昭雄

 

福島第一原発二号機による地球規模の大惨事の可能性

京都大学大学院教授 竹本修三

2016年7月28日、東京電力株式会社(TEPCOと略。この企業体が原子炉を取り扱っている公益事業体である)は、ミュオン宇宙線の透過を利用して(それはちょうどX線の利用に似ている)、福島第一原子力発電所第二号機原子炉の画像を公開した。圧力容器の下部に180トンから210トン相当の物質の影が映っていた。TEPCOの出した結論は以下のとおりである。「二号機の核燃料は、そのほとんどが、圧力容器の中に残されていると推定される。」

福島事故が解決に向かっている、とは、とても言えない状況である。二号機には、大量の核燃料が残されている。ここから生じる問題は、特別に重大なものとなる。第二号機の商用稼働は1974年7月に始まる。2011年3月11日の事故において、建物の破壊なしに、二号機は高温と高圧という過酷な環境の中で持ちこたえた。しかしながら、長い間使用した原子炉である。長期にわたる放射線照射によって、間違いなく圧力容器は劣化している。もし巨大な地震に見舞われたならば、二号機は壊れ、内部に残されていた核燃料とその他デブリが拡散してしまうだろう。その時、首都圏は居住することもできなくなる。2020年の東京五輪など、まったく問題にならない事態がそこに予想される。

 

冷却用プールに格納されている核燃料棒の数は次のとおりである。一号機=392本。二号機=615本。三号機=566本。通常であれば、電動ポンプによって冷却用の水が送り込まれ、これらの燃料棒は冷やされ続けている。もし、電力に滞りがあった場合はどうなるのか。あるいは、強烈な地震がこのプールを破壊した場合はどうなるのか。そうした場合、いったい何が起こるのか。そうしたことを考えるとき、私たちは不安に満たされるのである。

 

2016年11月22日に、地震があった。震源は福島県沖であり、マグニチュードは7.4であった。2016年12月28日に、地震があった。震源は茨木健北部であり、マグニチュードは6.3であった。これらはすべて、東北沿岸地域沖で起こった2011年の地震の衝撃を受けた地域である。この地域においてマグニチュード7クラスの地震がたびたび起こることを、私たちは予期しておかなければならない。つまり、震度6ないし7の地震によって福島第一原発が倒壊するという可能性はある。このことを無視することはできない。その中でも二号機に起こりうることこそ、最悪の恐怖である。その圧力容器の中には巨大な量の核燃料デブリが封じ込められているのだから。

 

2011年3月の事故の中で、急激な温度変化と圧力変化があったが、二号機の圧力容器はそれに耐えた。しかし、放射線照射を受け続けた結果の劣化ということをまじめに考えてみると、間もなく起こると予想される新たな大地震によって、二号機は深刻な打撃を蒙るかもしれないのである。… Continue reading

Quel rapport entre les centrales nucléaires et les armes nucléaires ?

Après la catastrophe nucléaire de Fukushima, j’ai réalisé une chose importante: nous n’avons pas voulu voir que les radiations provoquées par les bombes atomiques et celles qui proviennent d’un accident nucléaire sont extrêmement similaires en termes de risques pour la vie humaine. Il ya longtemps que nous admettons les dangers des attaques à l’arme nucléaire quand elles sont perpétrées par des États et aujourd’hui nous comprenons la menace que représentent pour les centrales nucléaires l’erreur humaine et les catastrophes naturelles, comme les séismes, les tsunamis et les volcans. Mais il semble que nous soyons passés à côté d’un élément essentiel : et si les centrales nucléaires devenaient une cible ? Je crains surtout la possibilité d’attaques terroristes contre des centrales nucléaires dans les pays instables.

J’ai rencontré d’éminents leaders d’opinion qui sont contre les armes nucléaires mais soutiennent l’énergie nucléaire, parce que celle-ci contribue à réduire le dioxyde de carbone. Il se peut que cette position s’appuie sur des arguments valides, mais il me semble qu’elle perd de vue les risques et les conséquences à long terme.

J’ai demandé au docteur Scott Jones, membre du Conseil consultatif international de l’Alliance pour l’action en cas d’urgence nucléaire (NEAA), d’exposer le rapport entre les centrales et les armes nucléaires. Scott Jones est un ancien officier de marine américain qui a une grande expérience de l’arme nucléaire. Il a été pilote spécialisé dans le largage de bombes nucléaires, chargé de missions d’intelligence, officier de déploiement d’armes nucléaires et a créé les listes de cibles nucléaires pour les plans de guerre du Commandement des forces américaines en Europe.Continue reading