クレイボーン・ペル上院議員との対話: イスラムの人々と文化についての認識はアメリカの21世紀のチャレンジ


2011年4月17

By: クリス・コテ(Chris Cote)

 

 

「私はいつも他の人に私の思い通りにさせようとしてしまう」-クレイボーン・ペル上院議員

ペル上院議員、満喜、昭雄、ペル夫人(於:ロードアイランドのペル議員宅)

ペル上院議員、満喜、昭雄、ペル夫人(於:ロードアイランドのペル議員宅)

ペル上院議員は、国に使えたその長い人生で多くの功績を残されました。プリンストン大学を出た後、第二次世界大戦に赴き、その後国務省に入省。1960年に上院議員に当選。彼は、何千人ものアメリカ人低所得者が大学に通う助けとなったペルグラント(当初は基礎教育機会奨学金と呼ばれた)に大きな責任をもっており、芸術基金、人権基金をつくる法律も書きました。彼はベトナム戦争反対の意を大きく唱えました。1987年に上院外交委員会の委員長に就任、上院で党が代わった1995年まで同職にありました。1997年にパーキンソン病を発症しほぼ40年に亘った上院での職を辞しました。(ペル上院議員の魅力的な人生についてはニューヨークタイムズの記事(英文)をお読みください)

 

ペル議員の仕事への深い献身はアメリカ合衆国だけに限られず、彼の政治家としてまた個人としての視野は国境を越えるものでした。ペル議員は上院外交委員長をしている間に、リオとモスクワで開催されたグローバルフォーラムの運営委員会にも出席されました。昭雄はペル議員について、国や政治的教義の問題を越えて考える、国家と国際安全保障の名の下に伝統的な障壁を乗り越えることに視点をあてた、アメリカの数少ない政治家の一人であると、しばしば話していました。

 

ペル上院議員と昭雄は、90年代後半に次の世紀の問題についてよく会って議論していました。1999年、ペル氏が昭雄と満喜夫人をロードアイランド州ニューポートにある彼の自宅に招待した時に、昭雄を座らせて「アメリカの政治指導者達が関心を寄せなければならない21世紀の最大の問題は何か」と尋ねました。昭雄は、米国指導者層の務めは、イスラム社会の人々と文化についてのアメリカ人の認識を向け替えること、宗教的教理の問題にもつれ合うことには何の利用価値もないが、彼らの文化の共通性は見つけられるはずであり、また見つけなければならない、とはっきりと答えました。2001年9月の事件はそのことを明確にしました。21世紀のアメリカの大きな挑戦は、イスラムの追随者について前向きに話をすることです。「アラブスプリング」は我々が何も手出しをせずに起きた歓迎すべき第一歩であり、これからも手出しをせずにおくべきなのです。

 

ペル上院議員の質問と昭雄の答えはこのブログのモットーをとらえています。「私達の共通する未来のためにミッシングリンクを見つける」ことです。人類が共有する経験の本質は何でしょうか? 国、文化、そして組織は力の強化の為に障壁を築き外と中を切り離します。暴力を扇動することはありますが、これらの壁は不正に築かれたものであり従って紙のように薄く、大きな考えとより前向きなセンスで考えようとする人々には壊すことのできる壁なのです。

 

前国連調整役でこのブログの友人でもあるジャンドメニコ・ピコ氏が、オックスフォードリサーチグループop-ed on negotiations in Afghanistanに、弱い指導者が「他者」を作る必要性について書いています。

 

 “「敵」という概念は政府統御の原始時代からの道具である。人類の歴史の大部分で、「敵」はその「反対側にいるもの」の存在を明確にすることに役立ってきた。これは「不出来な」指導者達に利用された。過激派の話には「実存的な敵」が必要なのです。不出来な指導者は肯定的なものではなく否定的な話を使います。彼らはトップに居続けるために「敵」を探します。彼らは古い金言を繰り返します。「我々は他の誰よりも優れている」とか「神は我々と共にいる」とかの「我々と彼ら」との間に実存的な二分するものの必要性をほのめかし、この場合「彼ら」を悪魔であるかのように言う必要があるのです。私達の歴史にはそんなケースがたくさんあります。今もあります。以前より少しは少ないかもしれませんが。

                           

「敵」(真実でも想像でも)に頼らずとも統率することのできる指導者がいるのでしょうか? 

偉大な指導者は過去のページをコピーすることはしません。偉大な指導者は人類の歴史に、道徳的にも制度的にも新しい章を書くのです。彼らは国家プロジェクトを肯定的な価値の周りに築き、彼らは未知のものを研究する勇気を持ちあわすのです。力の劣る統治者がトレードマークである「他者」という否定的なイメージを進める間に、政治家は制度的文化的な革新によって特徴付けられるのです。“

 

クレイボーン・ペル上院議員は、国家に使える者であり、国家の激しい擁護者であり続けながら、未知のものに勇気を持ってあたった、確かに大胆な指導者でした。現在の指導者層の中でいったい何人が、アメリカ合衆国の次の100年の挑戦は何か、という質問をするでしょうか?いったい何人が、昭雄のようなアメリカ人ではない人間にそれを尋ねるでしょうか?私達の現在のアメリカ指導者層のビジョン欠如は、我々がミッシングリンクを見つけることをさらに難しくしています。現代の指導者達は、私達をいったいどこへと導いていくのでしょうか?

 

 

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日本語訳:木村道子

英文オリジナル:http://akiomatsumura.com/2011/04/a-conversation-with-senator-claiborne-pell-our-perception-of-islams-peoples-and-cultures-is-americas-21st-century-challenge.html

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