「福島原発近くの地下水にハイレベルのストロンチウムを検出」


 

福島原発近くの地下水にハイレベルのストロンチウムを検出

(High Levels of Strontium Found in Groundwater Near Fukushima Plant)

2013年6月20日

 

 

6月18日付ニューヨークタイムズ紙の田淵広子記者による記事「福島原発近くの地下水に高レベルの放射性ストロンチウムが検出」は、TEPCOが福島第一原子力発電所で許容レベルをはるかに超えたストロンチウム90とトリチウムを検出していたことを警鐘している。

 

Foto von Asahi Shimbun

朝日新聞からの図

災害で打撃を受けた福島県の原発オペレーターである東京電力が水曜日に、発電所で地下水にハイレベルの放射性ストロンチウムを検出したことを発表。貯蔵タンクから汚染水が漏れ海水に流れ込んでいるのではないかと危ぶまれている。オペレーターによると、2011年に炉心溶融した原子炉2号基近くの地下水で日本の安全基準リミットの30倍のストロンチウム90を検出したもの。当社は発電所での増加する汚染水の貯蔵に懸命な努力を続けているが、以前には現場の地下水が毒性であることは否定していた。もし経口摂取した場合、ストロンチウム90は骨内に留まり体内で放射能を放ち、やがて癌を生じることになることがあります。

 

 

 

 

Gordon Edwards

ゴードン・エドワーズ博士

著名な原子力専門家のゴードン・エドワーズ博士(Canadian Coalition for Nuclear Responsibility理事長)がトリチウムとストロンチウム90の影響を説明して下さいました。

 

放射線の説明

 

2011年の福島第一原発災害時に、数百種の異なるタイプの放射性物質が環境に放出されました。

 

他の全ての物質と同様に放射性物質は原子からできています。ところが放射性物質の原子は不安定で、私達の普段の生活の周りにある、安定しているほとんどの物質の原子とは異なります。

 

不安定原子は特に危険です。

 

安定した原子は変化しません。永久に同じです。しかし放射性原子は、原子放射線と呼ばれる炸裂する次原子榴散弾弾子を放出しながら、突然に激しく壊変します。

 

放射能活動の単位は「1ベクレル」、放射性原子の秒毎の壊変(崩壊)を意味します。1000ベクレルとは毎秒1000の壊変が起きている、または毎時3,500,000の壊変が起きていることを意味します。

 

生細胞は壊変する原子が出す、次原子投射物の通過により傷つけられたり殺されたりします。それはおそらく3つのタイプ、アルファ、ベータ、ガンマと呼ばれる放射物のひとつです。

ガンマ放射はエックス線のようなものですが更に強力なものです。これは人間の体の中を貫通することができます。ベータ放射は全く異なるもので、これは線ではなく荷電粒子で、軟かな組織を数ミリメーター進めるだけです。アルファ放射も荷電粒子から成っていますが、これらの粒子はもっと大きく、ベータ放射よりも透過性は低いのです。

 

アルファ粒子の重さはベータ粒子の約7000倍です。アルファ粒子は紙一枚または貴方の手の表面にある死んでいる皮膚層でも止めることができます。

 

それでは放射能の危険とは何なのでしょう?

 

放射能の危険性

 

体外で主な危険は貫通するガンマ放射線です。手、足、生殖腺など、体のある部位は特に大量の照射を受けるかもしれませんが、外部のガンマ線は「全身放射線照射」を起こすことがありえるのです。

 

人が知らないうちに、汚染された空気を呼吸したり、水を飲んだり、食物を食べたりして、一度体内に放射性物質が入ると、この放射性原子は体内で壊変します。そのように吸引されたり摂取された放射性物質は「体内放出体」と呼ばれ、ガンマ線、ベータ粒子、アルファ粒子は体内で放出されて体内の細胞に直接の損傷を与えます。時折、損傷を受けた細胞は何年もあとになってがん腫になることがあります。もし生殖細胞が損傷されると、子供や孫に有害な影響のでることがあります。

 

数十年にわたり注意深く行われた調査が、体内のアルファ放射は体内のベータまたはガンマ放射より、エネルギー単位当たり約20倍多くの生物学的損傷をあたえる、ということを明らかにしています。言い換えると、体内アルファ放射を受けた一定の人々は、体内ベータもしくはガンマ放射を受けた一定の人々に比較すると、癌や遺伝的欠陥ケースの起る可能性が20倍多くある、ということです。(この係数は「生物効果比」または「RBE」と呼ばれます)

 

調査は更に、体内ベータ放射は類似するエネルギーのガンマ放射よりもより損傷を与えることを示しています。このようなケースではRBEは2乃至3以上あり、ベータ粒子がガンマ線の2乃至3倍の生物学的損傷を与えることを意味しています。

 

トリチウムとストロンチウム90は何をするか?

 

トリチウム(放射性水素に与えられてる名称)とストロンチウム90、下記に記すふたつはベータ放射性物質です。これらはガンマ線を放つことはほとんどないので、主に体内障害です。水は全ての生き物にとって不可欠なものなので、トリチウムとストロンチウム90に汚染された水は、その水を飲むどんな生物生命体の中にも活発に吸収されます。

 

ストロンチウム90は。骨や歯の形成に重要で牛乳の主要な栄養分であるカルシウムと化学的に類似しています。ですから、ストロンチウム90が体内に入ると、体はそれを骨や歯、また乳児にすぐに渡される母乳の中に躍起になって貯めようとします。ストロンチウム90はおよそ30年の半減期(放射性原子のちょうど半分が崩壊するために必要とされる時間)なので、大人であろうと乳児であろうと、ベータ放射物が何十年も汚染された人の体の骨と骨髄を照射し続けるものであると考えるのは容易です。この絶え間ない放射性被爆は骨癌と白血病(血液の癌)のリスクを増加します。

悪いことに、ストロンチウム90の放射性原子は崩壊する時、イットリウム90(別のベータ放射性物質)に変化します。イットリウム90はカルシウムとは化学的には似ていません。人体は、イットリウム90を生殖損傷が起こされる性腺を含む、体の内部の他の器官の方へと動きまわします。

 

トリチウムは放射性であるということを除けば、普通の水素と化学的に同じです。水素は、DNA分子を含む全ての有機分子の基本的な素材のひとつです。人体に吸収された放射性トリチウムのいくつかはさらに大きな有機分子の一部として「有機的化合物」になります。トリチウムの慢性被爆の長期的な医学的影響はまだよく解明されておらず、科学的論争のもととなったままです。

 

トリチウムの危険についての不確かさは、飲料水中のトリチウムの、いわゆる「許容」される濃度についての激しい論争により、強調されています。この、ジャパンタイムズ紙の記事では、福島の汚染された地下水がトリチウム濃度「一リットル当たり500,000ベクレル」、日本の’基準’1リットル当たり60,000ベクレルの8.3倍とあります。しかしカナダでは、飲料水中のトリチウムの基準は1リットル当たり7,000ベクレルで、最近のオンタリオ飲料水諮問委員会(ODWAC)報告では、この基準を更に1リットル当たり20ベクレルまで大幅に減らすべきであると結論付ける、科学的根拠を出しています。

 

ですから、福島の地下水のトリチウムレベルは日本の基準の8.3倍かもしれませんが、現存するカナダの基準の70倍、そしてODWAC科学諮問委員会の申請した基準より25000倍高いということです。

 

原子放射線の基準について驚くべきことは、基準といわれるものが現実にはいかに非基準であるかということです。その理由は単純です。原子放射線にさらされる安全レベルなどというものはないのですから、これら全ての基準は独断的な任意のものなのです

 

そして、福島の汚染水には、TEPCOや日本政府に言及されてもいない、その殆どはベータ放射物とアルファ放射物である、何十もの他の放射性物質が含まれていることを、心に留めておかなければなりません。

 

(翻訳:木村道子)

 

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